初の米中首脳「連鎖国賓訪韓」推進…カギは実質的な結果

投稿者: | 2025年10月17日

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が今月末に慶州(キョンジュ)で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を契機に相次いで韓国を訪問する中、韓国政府は両首脳がともに「国賓資格」で訪韓する案を推進している。外国の首脳らがソウルでなく地方で、それも連日で国賓日程を消化した前例は探すのが難しい。

16日、外交筋によると、政府はAPECを契機に訪韓する予定のトランプ大統領と習主席をそれぞれ国賓として招待する案を米中と調整中だ。大きな変数がない限り初の「連鎖国賓訪韓」が実現する可能性が高いという。

 トランプ大統領は29日から1泊2日の日程で韓国を訪問する可能性が高いが、到着当日(29日)の韓米首脳会談と国賓晩餐を推進している。習主席も国賓資格で30日に訪韓し、この日に米中首脳会談をする可能性が高い。韓中首脳会談もこの日に行われる可能性がある。習主席は31日から2日間続くAPEC首脳会議本行事にも出席する予定だ。

計画通りに進めば、韓国は連日で米・中の首脳を国賓として迎えることになる。外国首脳の訪韓で国賓訪問は最も格が高い。通常、儀仗隊による栄誉礼、歓迎式、国賓晩餐、国会訪問など最高水準の儀典が提供される。政府筋は「米中首脳の訪韓日程の輪郭が表れただけに最大限の礼遇をするために検討している」と説明した。

国賓訪問の条件や回数、方式などを規定する明文化された基準はない。ただ一つの原則は韓国大統領の任期中に国別に1回に制限するというものだ。首脳の再選または任期延長の場合は例外的に再度国賓訪問が可能となる。

結局は希少性が核心であり、このため普通なら数カ月にわたる緻密な準備が行われる。習主席の国賓訪韓は昨年から言及されていたが、トランプ大統領の国賓訪韓は最近になって推進され始めた。一部ではトランプ大統領がAPEC主行事に出席しないため、APEC興行不振に対する批判世論が強まることを意識して訪韓の格を高めたのではという見方も出ている。

世界的な耳目は集まるが、急造で国賓訪韓を進めて十分な準備ができるのかという懸念も提起される。異例にも訪問場所もソウルでなく慶州に限定される。

米大統領の国賓訪韓では象徴的な同盟重視が強調されてきた点を考慮すると、不足する点も出てくる。トランプ大統領は2017年11月の国賓訪問当時、京畿道平沢(ピョンテク)の在韓米軍基地「キャンプ・ハンフリーズ」と国立顕忠院を訪問し、国会で演説した。

習主席も2014年の訪韓で首脳会談のほか、財界人フォーラム、ソウル大での演説など多くの日程を消化したが、今回は難しいとみられる。

何よりも外交力を総結集する貴重な機会であるだけに「国賓チャンス」を活用する場合は具体的かつ実質的な成果が担保されなければいけない。

ところがルビオ米国務長官、王毅中国外相ともに日程上、訪韓が難しい状況という。通常、首脳の訪問に先立ち外相が相手国を訪問して会談の結果を事前調整をするが、今回はこれも難しいということだ。

さらにトランプ大統領の国賓訪韓は現在最終段階に入った韓米関税交渉とも重なる。米国が要求する3500億ドル規模の全額現金投資問題に関して韓国が受け入れ可能な折衷案を用意してこそ、トランプ大統領の国賓訪韓が意味のある評価を受けるという分析もある。大統領室と政府は「APECを契機に韓米首脳会談まで問題を解決していく」(趙顕外相、13日の国会外交統一委)として交渉妥結の意志を明らかにしたが、結果は断言できないという評価だ。

すべての対米交渉の最終決定権がトランプ大統領にあるというのが変数になるからだ。トランプ大統領は1期目の2020年4月の第11回韓米防衛費分担金特別協定(SMA)交渉で、韓米外交・国防長官がともに承認した「13%引き上げ案」を妥結直前に拒否し、交渉は原点に戻った。トランプ大統領は2019年2月のハノイ朝米首脳会談でも実務陣が何度か事前協議をしたが、現地で予想を覆して交渉を決裂させた。

今回も相互関税15%と対米投資資金調達方式をめぐる明文化された合意が出るまで結果を予断できないという懸念が提起される理由だ。

韓中間にも懸案がある。「限韓令」完全解除などTHAAD(高高度防衛ミサイル)報復措置の撤回、西海(ソヘ、黄海)構造物問題などだ。中国は最近ハンファオーシャンの米子会社に制裁を加えた。

申珏秀(シン・ガクス)元駐日大使は米中首脳の連鎖国賓訪韓について「トランプ大統領のAPEC出席が難しい状況でモメンタムを生かすための現実的な選択であり、トランプ大統領が多国間外交でなく2国間関係でスポットライトを受けることを好む性向を考慮した決定とみられる」と評価した。続いて「今回の会談でトランプ大統領が韓国を単なる取引相手でなく相互利益を与える同盟パートナーと認識することが重要だ」とし「中国とは停滞している戦略的パートナーシップを復元するものの、韓米同盟の枠組み内で互恵的な善隣関係を深めていくことを明確にしておく必要がある」と述べた。

2025/10/17 10:48
https://japanese.joins.com/JArticle/339910

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