昨年、ソウル恩平区(ウンピョング)のマンション団地で日本刀で切りつけて隣人を殺害した30代男に対し、無期懲役が確定した。大法院(最高裁)第2部〔主審・厳相弼(オム・サンピル)大法院判事〕は、殺人および銃砲・刀剣・火薬類安全管理法違反の容疑で起訴されたペク(38)に対して下級審の判決を確定したと24日、明らかにした。
ペクは昨年7月29日午後11時22分ごろ、恩平区のマンション団地で装飾用として許可を受けていた長さ約102センチの日本刀を隣人の40代男性に何度も切りつけて死亡させた疑いで起訴された。被害者は警備室に駆け込み警察と救急隊を呼んだが、病院に搬送される途中、全身の多発刺創により死亡した。
調査の結果、大企業に勤めていたペクは2022年に退職した後、再就職を目指して多くの政治・経済記事を読むうちに、「中国のスパイが大韓民国に対して戦争を起こそうとしている」という妄想を持つようになったことが判明した。その後、住居地の近くで頻繁に出会う人々を自分を尾行・監視する中国スパイだと思い込み、これを「処断」するという思いから日本刀の所持許可を取り、犯行に及んだ。
今年2月の1審は、「妄想性障害による心神耗弱状態で犯行を行ったとしても、社会復帰よりは社会から無期限に隔離し自由を奪う必要性のほうが大きい」として、無期懲役を言い渡した。また、20年間の位置追跡装置の装着を命じ、遺族への接近禁止および定期的な精神科治療の受診を定め順守事項も課した。
今年6月の2審も「誰かに恨みを買ったり被害を与えたりすることがなくても、いつでも無残に殺される可能性があるという恐怖を社会に与えた」とし、1審の刑を維持した。さらに、ペクの父親が犯行を擁護するような投稿をオンラインに掲載した点に言及し、「ペク本人だけでなく家族の一部も犯行を擁護する態度を見せており、将来的な再犯の危険性も中程度または高い水準に該当する」と指摘した。父親は死者名誉毀損の罪で起訴され、1審裁判が進行中だ。
2025/10/24 14:31
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