「外交交渉でマウント取れる服、無理をしてでも買わなくてはいかんかもなぁ」。主要20か国・地域(G20)首脳会議に出席するため南アフリカのヨハネスブルクに向かっていた日本の高市早苗首相が11月21日、SNS(交流サイト)にこう書き込んだ。ある日本の議員から「世界各国のトップと交渉しなければならないのだから、最高の服を着るべき」と助言され、出国する前日の午前を「なめられない服」選びに費やしたとして、最後をこの言葉で締めくくったのだ。
この投稿には批判が殺到した。日本現地では、日中の対立が続いている渦中に「マウントを取る(優位であることをアピールする)」という表現を用いたことが問題視された。韓国では「のんきに服の心配か」「女性の政治家はいつもこういうのが問題」などの反応が見られた。これまで女性政治家や大統領夫人のぜいたくが物議を醸すことはあったが、今回はちょっと驚いた。日本の首相の書き込みは、単なるのんきな服選びではなく、そこに外交的ニュアンスが含まれているように感じられたからだ。
11月7日に高市首相が行った「台湾有事は日本の存立危機事態」という発言を機に、中国と日本の激しい対立が始まった。高市首相が中国の発言撤回要求を拒否すると、両国間の文化交流までストップし、関係が冷え込んだ。そしてG20で両国の首脳が会うかどうかに注目が集まった。そのため首相の書き込みは、自分の発言に端を発した日中の対立を巡り、関連の閣議に長時間を費やし申し訳ないという意味に読み取れた。高市首相は「結局、皆様が見慣れた(青色の)ジャケットとワンピースの組み合わせ」を選んだと書いた。これは、長時間悩んだが今はまだ中国と交渉するタイミングではない、という暗示に見えた。実際に日中の首脳がG20で言葉を交わすことはなかった。
単なる解釈に過ぎないかもしれない。しかし、「服飾」が徹底的に計算された外交言語だという事実は今に始まったことではない。読売新聞は最近、ファッション専門家と共に「高市ファッション」を分析した。黄色やピンクなど温かいイメージを強調していたこれまでの日本の女性政治家たちとは異なり、高市首相は寒色の「ロイヤルブルー」を好んで着ており、性別を超えた冷静なイメージを構築した。高市首相が尊敬する「鉄の女」マーガレット・サッチャー元英首相が好んでいた色であり、サッカー日本代表の「サムライブルー」の勝利を象徴する。ネイビー系の服を好むトランプ米大統領と会談する際には、白のスカートスーツで色味の重なりを避け、女性らしさを強調した。
就任後の高市首相の動画や写真をいろいろと探してみた。飛行機の前では手を振って少女のような笑顔を見せている。会議では、顔には笑みを浮かべながらも筆記する際の目と手には猛烈な勢いが感じられる。それこそ『菊と刀』の首相のようだ。日本の憲政史上初の女性首相が登場したということで、高市首相を巡って今まで以上に幅広い解釈の世界が開けてくるだろう。
高市首相にとって「なめられない服」とは、果たしてどんなものなのだろうか。韓国を挟んで日本と中国が猛烈に衝突する今、「高市ファッション」は北東アジア情勢と同じくらい心血を注いで読み取らねばならない重要な外交メッセージだ。
キム・ボギョン記者
2025/11/29 07:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/11/27/2025112780139.html