米国「韓国は調整されたメッセージ出すべき」…対北朝鮮融和策の速度調節を要求

投稿者: | 2025年12月9日

米国側が最近、韓国政府に対北朝鮮制裁維持の必要性を強調しながら、韓国の外交・安保ラインとの定例的な会談を提案したことが分かった。韓国与党が南北関係改善のために対北朝鮮融和策を連日出している中、「調整されたメッセージ」を強調する趣旨で事実上の速度調節を要求する気流が感知される。

複数の消息筋によると、ケビン・キム駐韓米国大使代理は先月25日、鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官と会った席で対北朝鮮メッセージに関連してこうした提案をした。ある消息筋は「米国側は、トランプ大統領の対話提案により対北政策に対する関心が高まった状況で、複数のメッセージが混在すれば不必要な混乱が生じるとして、調整されたメッセージの発信を要請した」と明らかにした。

 外交関係者らは調整されたメッセージという表現に注目している。これは、韓米間の対北朝鮮メッセージに温度差があるという意味と考えられるからだ。

一部では、キム大使代理が対北朝鮮制裁の維持と北朝鮮の人権問題を強調するべきと説明したのも、これを念頭に置いているためという解釈が出ている。米国が交渉力確保のために使用すべき手段だが、韓国が北朝鮮を対話テーブルから下ろして安易に扱うことに対し、う回的に懸念を表したという見方だ。韓米間ではトランプ政権1期目当時、制裁問題で葛藤が生じた前例もある。

これに関連し、李在明(イ・ジェミョン)大統領は9月、海外メディアのインタビューで、対北朝鮮制裁緩和に言及しながら「北の核開発中断措置に対して一部の補償(compensate)が可能」という意見を明らかにした。「『武器開発の中断、縮小、最終的に非核化』という3段階を踏む見返りに部分的な制裁緩和または解除をするための交渉」を支持すると述べながらだ。

トランプ大統領が2期目に入って制裁に言及したのは一度だけだが、北朝鮮を対話に引き出すために何を提供できるのかという質問に対し「我々は制裁を加えている。(関係改善)開始のためには大きなこと」と答えた程度だ(10月27日、日本に向かう機内で)。

キム大使代理が統一部長官と会い、制裁問題に言及しながら調整されたメッセージを強調したのも意味深長という指摘だ。外交・安保部処の長官との面談であるだけに原則的な言及かもしれないが、統一部は制裁関連の主務部処ではないうえ、鄭長官は韓米連合訓練の延期を公開的に主張するなど内閣で最も積極的に対北朝鮮融和策を提示してきたからだ。鄭長官は7月、国会で「朝ロ同盟の中、現在、国連などの制裁は事実上無力化している」とし「制裁が人道的な側面で北の住民に苦痛と否定的な影響を与えるのはその目的に合わない」と主張した。

特に鄭長官はキム大使代理と会う数時間前の行事で「米国の承認と決裁を待つ官僚的な思考では解決できないというのが韓半島(朝鮮半島)問題の特性」と公開発言した。南北関係改善のために韓半島政策で「自己決定権」を発揮するべきと強調しながらだ。

魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長が7日、李在明政権6カ月の成果を報告する記者懇談会で「韓半島非核化の推進のために考えられるカードは多いが、韓米連合訓練の場合、カードとして直接考慮していない」と一線を画したが、米国側のこうした雰囲気と無関係でないともみられる。

キム大使代理はこの日、外交部で朴潤柱(パク・ユンジュ)第1次官と面会した直後、記者らに対し「鄭東泳長官と米韓間で緊密な調整(tight coordination)が極めて重要だということに同意した」と述べた。関連の質問がなかったにもかかわらず先に言及し、外交部を訪問した席で統一部長官との面会に言及したのもやや異例だった。

キム大使代理は「軍事訓練は軍の生命のようなものだ」という安圭佰(アン・ギュベク)国防部長官の発言を紹介しながら「(安長官が)連合軍事訓練の協調の重要性を改めて強調した」とも話した。これに先立ちキム大使代理は先月21日、安長官を表敬訪問し、韓半島および地域情勢と韓米同盟の発展方向について議論した。キム大使代理は最近公開された米国家安全保障戦略報告書(NSS)から北朝鮮への言及が抜けたことを意識するように、両国首脳が「北朝鮮の完全な非核化」に合意したという点も再確認した。

2025/12/09 10:13
https://japanese.joins.com/JArticle/341920

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