安全保障に続き経済も?…USTR代表「中国と建設的関係構築に集中」

投稿者: | 2025年12月11日

米トランプ政権の貿易政策を総括する米通商代表部(USTR)のグリア代表は10日、連邦最高裁が関税施行を違法だと認めても「代替手段を通じて関税収入を維持できる」と話した。

グリア代表はこの日、シンクタンクのアトランティック・カウンシルが主催した対談で、「通商拡大法第232条に基づく鉄鋼、アルミニウム、自動車などに対する品目別関税措置は今回の訴訟の争点でなくそのまま維持され、貿易法第301条についてもよくわかっているだろう」としながらこのように主張した。

 トランプ政権が敗訴しても貿易法第301条・第122条など他の法令を通じて別の種類の関税を課せるという意味だ。

現在米国連邦最高裁はトランプ大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいて施行している関税の違法性の有無を審理している。IEEPAは大統領に輸入を規制する権限を付与している。しかし租税権限を持っている議会の頭越しにトランプ大統領が大統領令だけで関税を施行したことに対しては1審と2審ともに違法という決定を下した状態だ。

グリア代表は代替案については「法律顧問からバックアップ計画を公開するなという厳格な指示を受けた」としながらも「(トランプ政権の貿易政策の)核心は世界的に関税を課して貿易赤字と公正貿易慣行で最も大きな違反者を確実に制裁すること」と強調した。

続けて「(最高裁が)違法決定を下せば莫大な財政的空白が生じる重大な事案。最高裁が米国に有利な法条文の明確な判断を下すことを期待する」と付け加えた。

グリア代表は高率の関税適用が必要な対象として「最も大きな黒字を記録し過剰生産や補助金問題で最も大きな困難を経験しているアジア諸国」と指定した。このうち韓国をはじめ日本と欧州連合(EU)に対しては「米国と貿易しているが実質的な貿易問題を体験している近い同盟国」と称し、「これらは(米国に)投資をしている」と話した。

グリア代表は「米国と同盟国間の緊張と摩擦が存在する状況でも対中共同アプローチ方式を追求しなければならないのか」という質問に対し、「トランプ政権は単純に『米国優先主義』であるだけ。同盟国が中国に対する立場を合わせて『われわれには関税を課すな』という暗示をするが、それは別個の問題」と強調した。

EUに対しては「一部規制に対するアプローチ方式に対し本当に大きな問題があると考える。この数カ月間EUがデジタル市場法(DMA)と現在デジタルサービス法(DSA)を施行する過程で全く節制された姿が見られない点に対し率直に失望した」とした。

EUは最近テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が所有する交流サイト(SNS)のXに2000億ウォンを超える課徴金を命じた。これに対しトランプ大統領をはじめとする政権主要人物は一斉にEUに対する強い批判を加えている。

グリア代表は中国に対しては「301条の関税を合算すれば中国に対する総関税率は約45%に達する」と話した。その一方で「トランプ大統領は中国と建設的関係構築にとても集中している点を認めることが重要だ。両国ともに合理的でバランスが取れた方式で商品とサービス交流に向け進むルートを模索するのに集中している」と強調した。

トランプ大統領は8日、エヌビディアが生産する人工知能(AI)半導体のうち2番目に性能が良い「H200」の対中輸出を許容する方針を明らかにした。2022年にバイデン政権が中国にAI技術逆転を許容することを懸念して輸出規制措置を下したのを覆す決定だ。

トランプ大統領はH200輸出再開発表直前にホワイトハウスで主宰した会議で、大豆農家に120億ドル(約1兆8716億円)を支援するとして「中国は莫大な量の大豆を購入しており、習近平主席が約束したより多くの(大豆を)買うだろう」と話した。中国の大豆購入の有無はトランプ大統領の核心支持層である農民の支持に直接的に影響を及ぼす分野だ。

トランプ政権は5日に公開した国家安全保障戦略(NSS)でも過去中国を事実上の「敵」と規定した表現を削除するなど安全保障分野で中国に融和的メッセージを発信したとの評価を受けている。

2025/12/11 08:39
https://japanese.joins.com/JArticle/342030

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