統一教、すでに土地も取得…100兆ウォン「韓日海底トンネル」に執着する理由

投稿者: | 2025年12月15日

統一教ナンバー2だったユン・ヨンホ元世界本部長が政界にロビーした主要懸案は「韓日海底トンネル」だ。統一教は45年近く「韓日海底トンネル」事業に執着している。100兆ウォン(約10兆円)を超える莫大な予算が必要で、両国政府の同意がなければ不可能なプロジェクトだ。統一教はなぜ「韓日海底トンネル」を執拗に推進するのか。

◇アダムの国、イブの国

 1981年に文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は「国際平和高速道路」構想を発表した。東京-ソウル-平壌(ピョンヤン)-北京-モスクワ-ロンドン-ニューヨークなど世界をひとつの高速道路網で結ぶという構想だ。その出発点が「韓日海底トンネル」だった。韓国と日本をトンネルでつなぐという計画だ。

文総裁は韓国を「父の国」、日本を「母の国」と呼んだ。宗教的に韓国は「アダムの国」とみた。神の摂理が始まる中心国であり、メシアが誕生した宗教的宗主国だ。これに対し日本は「イブの国」と呼んだ。アダムを補助し、子どもを産んで育てる母の役割をする国だ。

夫と妻が体を重ねて新たな生命を産むように、離れている韓国と日本が海底トンネルを通じて物理的につながってこそ新しい文明を創出できると主張した。

◇日本の蕩減復帰

統一教の教理で罪を洗う行為を「蕩減」と呼ぶ。罪を洗い神の領域に戻ることを「復帰」と呼ぶ。日本は帝国主義時代に韓国を圧迫したため、それを洗うためには言葉だけで謝るのではなく物質的祝福を韓国に返さなくてはならないという論理だ。実際に日本の統一教信者の献金が韓日海底トンネル事業に向けた用地取得や調査費用に投入された背景でもある。

◇莫大な予算で難しい工事

韓日海底トンネルは佐賀県唐津から釜山(プサン)や巨済島(コジェド)を結ぶ事業だ。実際に統一教は唐津などで土地を取得し、探査を目的に一定区間のトンネルを掘っている。日本の統一教信者がここを見学すれば、韓日海底トンネルが実質的な事業だと信じやすい。

専門家らは「韓日海底トンネル事業の現実性は高くない」と話す。まず100兆ウォンを大きく超える莫大な予算が必要となる。それにともなう経済的波及効果も壮語できない。

工事の難易度は非常に高い。英国とフランスをつなぐ海底トンネルは総延長50キロメートル、海底区間は38キロメートルにすぎない。韓日海底トンネルは最小200キロメートル、海底区間が約140キロメートルに達する。英仏トンネルの4倍を超える長さだ。その上、大韓海峡の水深は最大220メートルに達し水圧がとても高い。地震火山帯が通る断層地帯で地震の危険性もある。

◇釜山政界ロビー疑惑

韓日海底トンネルは文総裁が計画を発表してから統一教の至上課題であり宿願事業になった。莫大な予算と各種許認可問題で統一教単独での推進は不可能だ。結局韓日両国政府の同意が必要だ。

日本から出発した海底トンネルは釜山に至る。統一教に釜山は事業の死活がかかる場所だ。最近統一教の政界ロビー疑惑がふくらみ海洋水産部の田載秀(チョン・ジェス)長官が辞任した。2017年に当時の徐秉洙(ソ・ビョンス)釜山市長は市独自の予算で韓日海底トンネルの基礎研究学術調査を進めている。この時、田前長官は釜山地域の国会議員だった。

2021年の釜山市長補欠選挙の時は「国民の力」の金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長が釜山を訪問し、「加徳島新空港建設を積極的に支持し、釜山・加徳島と日本の九州をつなぐ韓日海底トンネル建設を積極的に検討する」とサプライズで発表した。「国民の力」の釜山市長候補だった朴亨埈(パク・ヒョンジュン)現市長は党の方針を受け入れたが民主党の「親日公約」という批判に直面すると「経済的妥当性調査から先行しなければならない」として慎重な態度を取った。

2025/12/15 17:57
https://japanese.joins.com/JArticle/342180

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