【コラム】台湾海峡の波、日本で止まらない

投稿者: | 2025年12月16日

高市早苗首相の「台湾有事における日本介入可能」発言をきっかけに触発した中日間の対立が長期化する状況だ。中国はこの発言の撤回を公式的に要求し、外交・軍事・経済の全般で圧力の強度を高めている。単純な外交的舌戦でなく、両国関係の構造的緊張がまた水面上に浮上している。

今回の葛藤の出発点となった高市首相の発言は、第2次安倍内閣が2016年に制定した安全保障法制に基づく。この法制は、台湾周辺で米軍と中国軍が武力衝突し、その余波が日本の存立を脅かす事態に広がる場合、これを「存立危機事態」と規定できるようにした。中国軍の攻撃を事実上日本に対する攻撃と見なし、集団的自衛権を制限的に認めた制度的装置だ。

 制定当時、日本社会の反発は激しかった。学界と市民団体は「海外での武力行使を禁止した憲法9条に真っ向から反する」とし、反対デモを連日行った。周辺国も懸念の視線を向けた。こうした国内外の世論を意識して安倍前首相はもちろん、その後の菅義偉氏、岸田文雄氏、石破茂氏ら歴代首相はこの法制の具体的適用事例については言葉を控えた。いわゆる「戦略的あいまい性」を維持してきたのだ。

高市首相はこの慣行を破った。高市首相の発言は、日本が軍事力増強と平和憲法改正を通じて「戦争ができる普通の国」を越えて安保大国に進もうとする流れと接点がある。中国が高市首相の発言を単なる外交的修辞でなく、政策路線の変化の信号として受け止める理由だ。「台湾問題は中国の核心利益の中でも核心」という中国の立場に変わりはない。特に習近平国家主席の4期目を控えて台湾海峡の緊張が高まる時点で、中国の反応はより一層敏感になるしかない。

問題は出口戦略が見えない点だ。高市首相が中国外交のタブーを知らなかったはずはない。安倍元首相の政策路線を継承した高市首相は「強い日本」の再建を前面に出している。台湾有事発言後に見せた断固たる指導者のイメージは多数の国民、特に若者の支持を集めた。予想より高い支持率を土台に国会解散と総選挙を通じて少数与党構図を覆すことができるという見方まで出ている。国内政治的に利益となる状況で容易には退きにくい構造だ。

高市内閣の対中戦略不在も事態の長期化につながっている。これまで中日の対立が深まるたびに日本では非公式的和解チャンネルが作動した。安倍政権当時、靖国神社参拝で葛藤が深まった時は、福田康夫元首相や二階俊博元自民党幹事長が中国を訪れて関係を復元した。石破前政権でも森山裕前幹事長が中国を2回訪問した。しかし高市政権ではこうしたパイプラインが見えない。

長期間にわたり連立政権のパートナーだった公明党の離脱も悪材料に挙げられる。公明党創設者の故池田大作創価学会名誉会長は中日国交正常化に寄与した人物だ。1990年代以降、公明党は定期的に中国を訪問しながら交流を続けてきた。公明党の離脱は日本の対中外交で一つの緩衝装置が消えたことを意味する。

中国の対日圧力はすでに全方向に広がっている。日本団体観光禁止と日本訪問自制命令で始まった措置は軍事分野につながった。6日には中国軍の空母艦載機が沖縄県沖の公海上で自衛隊戦闘機に「レーダー照準」をし、9日には中国とロシアの爆撃機が東京方向に飛行する連合訓練まで敢行した。

過去の中日間の葛藤を振り返ると、今回の事態も短期間で終わるのは難しいとみられる。2001年の小泉純一郎首相の靖国神社参拝で悪化した中国内の反日感情は2005年に歴史教科書問題で全国的な反日デモに拡大した。2012年の日本の尖閣諸島国有化宣言は大規模なデモと日本製品不買運動につながった。その後2年以上の冷却期を経て政府間の対話チャンネルが再稼働した。

これを眺める韓国の内心は決して穏やかでない。中国が描く大きな絵の中に韓国も含まれているという不都合な現実のためだ。2016年のTHAAD(高高度防衛ミサイル)国内配備で2017年に始まった限韓令は依然として進行形だ。こうした中、台湾は最近、韓国の電子入国申告書に台湾が「中国(台湾)」と表記されていることに抗議した。事実上、韓国に立場の表明を要求したのだ。台湾海峡をめぐる緊張はもう日本を越えて韓国に向かって近づいている。

パク・ソヨン/論説委員

2025/12/16 14:32
https://japanese.joins.com/JArticle/342228

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