日帝強占期(日本による植民地時代)に日本の海底炭鉱で悲惨に亡くなった朝鮮人犠牲者などの遺骨を収容した日本の市民団体が、「韓日政府が共同で犠牲者遺骨のDNA鑑定を実施し、遺族を探してほしい」と訴えた。彼らは日本政府が来月2月までに積極的な動きを見せない場合は、自主的にDNA鑑定を実施する方針だ。
日本の市民団体「長生炭鉱の水非常(水没事故)を歴史に刻む会」(刻む会)は23日、東京の衆議院第1会館で政府関係者らと意見交換を行い、「日本外務省と警察庁が(発掘された遺骨の)早急なDNA鑑定のため、韓日政府と丁寧かつ緊密に意思疎通を図っていると言っただけに、実務が進められているようだ」としたうえで、「だが、実質的な進展がないことを見ると、結局韓国政府と政治的な決定を下されないかぎり、早期には実現が難しいと思われる」と語った。
長生炭鉱水没事件は、1942年2月、山口県宇部市にある海底炭鉱に海水が入り、過酷な労働に苦しめられた朝鮮人136人と日本人47人が死亡した悲劇的惨事。「刻む会」が昨年10月、海岸に埋められた坑道の入口を82年ぶりに見つけ、市民募金を通じて遺骨発掘作業を行ってきた。8月25日に、専門の潜水士が海底炭鉱に入り、遺骨少なくとも3点を発掘したのに続き、翌日には原型が完璧に保存された頭蓋骨を発見した。
昨年4月、長生炭鉱の遺骨発掘の知らせを聞いた石破茂首相の指示で、「刻む会」と政府間交渉が行われたが、政府関係者の消極的な態度で大きな進展は見られなかった。ところが、8月に頭蓋骨などが発見され、現場に犠牲者の遺骨が存在することが事実上確認された後、「刻む会」側は該当遺骨のDNA鑑定を通じて国籍に関係なく遺族の確認を要望した。韓国でもこの問題に関心を傾けてきたウ・ウォンシク国会議長が日本政府に積極的な支援を要請し、最近韓国政府関係者が現場を訪ねて刻む会の遺骨発掘状況を確認したりもした。先月16日には韓日・日韓議員連盟が共同声明を発表し、「佐渡金山、長生炭鉱などなお両国間に存在する懸案事項については、被害当事者の名誉と尊厳が回復されるように引き続き真摯な姿勢でその解決に向け対話を重ねていくことを求める」と両国政府に要求したりもした。
この日、刻む会は交渉に出た日本警察庁側に「遺骨鑑定が行われない理由と韓国政府の遺骨鑑定参加要請はどうなったのか、韓日共同でDNAを鑑定するのに問題があるのか」を聞いた。また外務省と厚生労働省の関係者たちにも「直系遺族が生存している間に遺骨を(発掘して)返還するという認識の共有」、「長生炭鉱坑道と遺骨存在の可能性があるところに水中ドローン投入の可能性などを専門家から聴取したかどうか」を問い質した。
これに対し、警察庁側は「現在、(遺骨の)DNA鑑定を行っているわけではないが、韓国政府と具体的な意思疎通をしている」とし、「警察では鑑定に必要な手続きを履行しながら身元が確認された場合は、速やかに遺族に遺骨を引き渡すという方針」だと述べた。外務省も「日本にある遺骨を早期返還することが重要だという認識を韓国側と共有してきた」とし、「今後も韓国政府との協議を引き続き進めていく」と原則的な立場を示した。一方、厚生労働省は「専門的知識が必要な事案の性格を考え、対応策を検討している」とし、「炭鉱の安定性を確認し、安全を確保した状態で(政府支援の)潜水実施の可能性などに関して関連知識を持つ方々から意見を聴取してきたが、現時点では安全性に対する懸念を解消できていない状況」だと否定的な態度を示した。
これに伴い、この日刻む会と政府間交渉は、2時間にわたる議論の末に、これといった成果なしに終わった。刻む会側は来月、李在明(イ・ジェミョン)大統領が日本を訪れ、高市早苗首相と韓日首脳間のシャトル外交を行う前に一定の結論を出してほしいと要請している。また、彼らは2月以前に政府側で特別な対策を出さない場合、法的検討を経て自主的に遺骨DNA鑑定に乗り出す計画だ。
2025/12/23 18:04
https://japan.hani.co.kr/arti/international/55063.html