よりによって李大統領の訪中直前に台湾包囲…「中国、韓国にもレッドラインを引いた」(2)

投稿者: | 2025年12月30日

実際のところ、中国の今回の訓練は、李大統領の訪中というより、自分たちのスケジュールに沿って準備を強化し、日本を圧迫する意味合いのほうが大きい。しかし同時に、これは間もなく行われる韓中首脳会談で、韓国の関連立場に注目が集まるという意味にもなり得る。いま中国が日本に対して全方位から圧力をかけているのも、韓国をはじめ地域内の国家も「いつでも標的になる可能性がある」という警告が根底に流れているためだ。あわせて、韓国は日本とは異なり台湾問題で一線を越えていないため、国賓として迎えるというメッセージを発信する意味もあるように見える。

檀国(タングク)大学政治外交学科の金珍鎬(キム・ジンホ)教授は「今回の訓練は、中国が国内的に政治的結束を固めようとする意図が大きいが、『台湾問題は中国の核心的利益なのだから、韓国までここから外れるようなことは言うな』と釘を刺す意味にもなり得る」とし、「我々としては、原則を守りつつも敏感な問題は柔軟にかわす必要がある」と述べた。

 こうしたことを踏まえ、李大統領が今回の訪中で、中国だけでなく、米国や日本も念頭に置いた精緻なメッセージを発信すべきだという指摘も出ている。そうでなくても米日内部には引き続き李大統領を「親中」と見る視点が存在している。中国が韓米日安保協力体制の中で韓国を「弱点」と見て引き込もうとする長年の戦術を再び持ち出す場合に備えるべきだということだ。最近、魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長が日本を訪れて高位級人物らと会ったのも、事前にこれに関する誤解を解く狙いがあったとみられる。

これについて、国立外交院のキム・ハングォン教授は「中国が今回の訓練を通じて『両岸統一』に対する強い意思を改めて表明する中、韓国に台湾海峡などに関する立場を求めてくる可能性に備える必要がある」と指摘した。続けて、「『一つの中国尊重』という従来の立場を改めて確認しつつも、台湾海峡については、対外貿易依存度が高い韓国として主要海上交通路の安定が重要だという次元から、台湾海峡の平和と安定の維持が必要だという点を説明するツートラックアプローチが必要だ」と強調した。

中国はこれまでも、高位級会談の後、韓国が「一つの中国原則」を堅持すると公開発表してきた。しかし実際には韓国政府は「原則」という表現は使わず、「一つの中国尊重の立場」だけを明らかにしてきた。外交的には失礼にあたるにもかかわらず、中国が韓国の首脳などの発言を自国に有利な形に歪曲(わいきょく)するのは、それだけ台湾問題に敏感だという証左でもある。

台湾海峡に関連して、韓国政府は2021年5月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とジョー・バイデン米大統領との首脳会談結果として、台湾海峡の平和と安定維持の重要性を強調する内容を盛り込んで以来、同じ立場を維持している。

韓国外大国際地域大学院のカン・ジュンヨン教授は「中国の今回の訓練は、台湾問題に関して韓国に対しても“レッドライン”を引いたもの」とし、「李在明政府がすでに『韓米同盟を中心に据えた実用外交』を標榜している以上、我々としては従来の立場を維持しつつ、中国との関係改善、サプライチェーン協力、そして韓半島(朝鮮半島)の最大懸案である北朝鮮の核問題での協力など、最も緊急かつ必要な部分を提起することができるだろう」と語った。

2025/12/30 07:27
https://japanese.joins.com/JArticle/342744

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