1945年の光復(解放)直後に帰国しようとする日帝強制徴用被害者を乗せて沈没した「浮島丸」の事故当時の名簿上の乗船者と死亡者数を韓国政府が分析した結果が初めて公開された。韓国行政安全部は29日、ソウルの日帝強制動員被害者支援財団で「浮島丸名簿分析3次経過報告会」を開催した。
◇浮島丸名簿分析3次経過報告会
日本海軍の輸送船である浮島丸は1945年8月22日に強制徴用された朝鮮人とその家族を乗せて青森県を出発し釜山(プサン)に向かっていた。だが出港2日後に京都近海で原因不明の爆発により沈没し大規模な人命被害が発生した。
行政安全部は昨年日本政府から提供された1・2次名簿と今年受け取った3次資料から抽出した1万8176人の記録を対照・分析し、重複記載された乗船者数を除去し同一人と誤認した同名異人を死亡者数に追加する過程を経た。名簿分析の結果、この船の乗船者は3542人で、このうち死亡者は528人と調査された。
これは日本政府が過去に発表した数値と多少の違いがある。日本政府は1945年に事故による死亡者を524人と集計し、1950年には乗船者が3735人だと発表した。当時の発表と比較すると、乗船者は193人少なく、死亡者は4人多い。
このような違いに対し行政安全部関係者は「(日本政府の集計は)強制動員被害者が勤めた作業場別に乗船者名簿を集合した後に再び関係機関が筆写したが、この過程で重複・誤記が発生したとみられる」と分析した。
◇日本政府発表より死亡者4人多く
日本政府はこれまで乗船者名簿はないと主張してきた。だが昨年5月に日本のジャーナリスト布施祐仁氏の情報公開請求により乗船者名簿の存在が初めて知らされた。その後日本政府は合計75件の資料を3回にかけて韓国にすべて提供した。
行政安全部は今回の乗船者名簿の分析結果を基に、遺族に乗船者名簿に家族が記載されているか確認を要請する予定だ。これとともに今回の分析結果を過去の被害事実調査資料と除籍簿などと比較・検討する計画だ。検証作業が終われば新たに確認された乗船者・死亡者など強制動員被害者への慰労金支給など支援を検討する予定だ。
行政安全部の尹昊重(ユン・ホジュン)長官は「今回の分析はこれまで公開・精製されていなかった浮島丸の乗船者・死亡者数を韓国政府が初めて分析して公開した点で意味がある。被害者・遺族の痛みを癒やし、歴史の真実を回復できるように最善を尽くしたい」と話した。
2025/12/30 10:24
https://japanese.joins.com/JArticle/342770