【コラム】アジアの2035年の姿(2)

投稿者: | 2026年1月11日

私は自分の文を現実性は大きくなくても少し理想主義的なビジョンを持って書いてみるつもりだった。私は2025年の時点で10年間を振り返るということで文の骨格を決めた。題名は大層に「過去からの解放:未来を見るための回顧」だった。その内容は次の通りだった。「当時中国はすでに経済・軍事大国に浮上しており、これは既存の覇権国である米国との対立を示唆していた。東アジアには慢性的な過去史をめぐる対立と日本が中心となった領土紛争もそのままあった。この10年間に東アジアは難題が理想的に解決されたものではなくてもより良い未来に向けて国々と特に人々の間で交流と協力が活発になるよう管理された状況になった。過去史問題は戦争の勝者と敗者の区分が特定の国や民族の問題ではなく誤った主義や信念の問題と整理された。すなわち、誤った軍事主義、侵略主義に対する民主、自由、平和の勝利であり、すべての国がともに勝利を記念するということだった。旧時代の呪いである『富国強兵』の理念に代わったのは『富民善隣』の路線だった。経済は国同士の協力と民間主導の開放、創意性、学問の自由の実現で向上し続けた。韓中日3カ国は国より人々の共同体としてあらゆる交流が深まっている。人々は結局経済的な繁栄や腐敗の清算、あるいは強大国の建設が国中心の野心に満ちた計画で成り立つのではなく、抑圧と強制そして歪曲がない大衆の合意を引き出すことができる能力から出るということを悟る。北朝鮮はまだ国際社会への参加を敬遠しているが、少しずつでも交流と協力は継続している」。

この文を書いてから満10年が過ぎた。世の中は私が希望的に想定したものとはずいぶん違うように流れてきた。アジアも新しい未来ではなく過去の反復に閉じ込められたようだ。もう2035年を心配する考えが先んじる。しかし現実が厳しい状況であるほど理想主義的なビジョンを失わないこともまた重要なことではないのかと考える。米国もただ力だけで世界の指導的な位置に浮上したのではない。国際連盟、大西洋憲章、4つの自由、国際連合など…。厳しい時期に新たな世界秩序を模索したことはもう忘れられているということなのだろうか。

 羅鍾一(ラ・ジョンイル)/東国大学客員教授

2026/01/11 12:19
https://japanese.joins.com/JArticle/343231

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