韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と高市早苗首相は13日の韓日首脳会談で、山口県・長生炭鉱に水没している遺骨のDNA鑑定を共同で推進することに合意した。過去史問題における人道的協力に向け、両国が手を取り合った格好だ。
李大統領は同日、奈良県内で開催された首脳会談直後の共同記者発表を通じ、「1942年、日本の宇部市にある長生炭鉱で183人の韓国人と日本人が水没死する事故があり、80余年が経過した昨年8月にようやく遺骨が初めて発掘された」とし、「両国は遺骨の身元確認のためのDNA鑑定を推進することにした」と明らかにした。
長生炭鉱の水没事故は、1942年2月3日、山口県宇部市の海岸から1キロ離れた海底坑道で発生した落盤事故だ。死亡者のうち半数を超える136人が強制動員された韓国人労働者だった。当時、日本政府が「ほぼ救助された」として事件を縮小・隠蔽したが、1991年に朝鮮人犠牲者の名簿が発見されたことで実態が明らかになり始めた。
李大統領は今回の合意について、「過去史問題において、小さくも意味のある進展を成し遂げることができ、誠に感慨深い」と述べた。高市首相も「DNA鑑定協力に関し、両国間の調整が進展していることを歓迎する」と応じた。李在明政権発足後、過去史問題を巡って韓日両国が合意に至ったのは今回が初めてだ。
これまで李大統領は、韓日の過去史問題と、経済・安保分野の未来協力を切り離す「ツートラック(two-track)」戦略を展開してきた。李大統領は昨年8・15光復節(解放記念日)の慶祝式において、「過去を直視しつつ、未来へ進む知恵を発揮すべき時」とし、「日本と未来志向的な共生協力の道を模索する」と宣言した。
同月21日に公開された読売新聞とのインタビューでは、2015年の韓日慰安婦合意や2023年の強制徴用「第三者弁済」合意について、「国家としての約束であるので、覆すことは望ましくない」と述べた。
李大統領は昨年6月の就任から今回の会談前までに石破茂前首相と3回、高市現首相と1回など、計4回の韓日首脳会談を行ったが、過去史問題が直接テーブルにのることはなかった。そうした状況の中で、韓日両国が比較的対立要素が少ない長生炭鉱問題を議論したことは、今後、慰安婦や強制徴用問題といった長年の難題の解決策を模索するための「足がかり」としての性格も持っている。
峨山(アサン)政策研究院のチェ・ウンミ研究委員は、「民間中心だった長生炭鉱の議論に政府の努力が加わったことで、一段階高い協力の枠組みが用意された」とし、「今後韓日関係の難しい課題を解いていく動力であり、礎(いしずえ)となるだろう」と評価した。
両首脳は13日、スキャム(詐欺)犯罪をはじめとする超国際犯罪への共同対応も強化することにした。李大統領は「韓国警察庁の主導で発足した国際共助協議体に、日本が参加することにした」とし、「両国の共助を制度的に裏付けるための合意文も採択することにした」と明かした。高市首相も「国境を超えた組織的詐欺は両国共通の課題」と述べた。
両首脳は、▷出入国の簡素化 ▷修学旅行の推奨 ▷技術資格の相互承認の拡大–など、交流の活性化策についても議論した。この日の会談は、少人数会談(20分)と拡大会談(68分)を含め、約1時間30分にわたって行われた。
李大統領は「複雑かつ混沌とした国際秩序の中で、韓日間の協力関係はいつになく、何よりも重要」と強調した。そのうえで「(両国は)一時の辛い過去の経験を抱えていはいるが、韓日国交正常化からすでに還暦が過ぎた」とし、「再び新たな60年をスタートさせることになったという点で、格別な意味がある」と述べた。
高市首相もまた、国交正常化60周年だった昨年に韓日関係の強靭さを示せたことをうれしく思うとしつつ、「今回の大統領のご訪問を皮切りに、本年が、日韓関係を更なる高みに発展させる年となることを期待している」と語った。
2026/01/14 07:02
https://japanese.joins.com/JArticle/343359