テスラが昨年11月、監督型完全自動運転機能(FSD)を韓国で披露し、韓国の完成車メーカーの自動運転技術競争力に対する懸念が高まっている中、「韓国型自動運転技術開発戦略」を急がなければならないという提言が出た。専門家らは、技術開発戦略の構築に向けた核心課題として、突発的危険状況に効率的に対応できるよう、データ確保に集中しなければならないという点を挙げた。
14日、ソウル市汝矣島の国会議員会館で開かれた「テスラFSDの韓国上陸と韓国のモビリティ産業の未来」討論会で、ソウル大学のチェ・ジュンウォン教授(電気・電子工学部)は、韓国の自動運転技術の発展方向についてこのように述べた。チェ教授は「自動運転商用化のためには『人工知能(AI)を活用してエッジケース(突発危険状況)に対する対応能力をどのように向上させられるかを考えなければならない」と述べた。
そのためには良質のデータ収集が必須だ。チェ教授は「AI基盤の自動運転が威力を発揮する瞬間は、大規模データセット(資料集)が構築された時」として「単純に道に沿って行くデータではなく、実際の道路走行に必要なデータを学習させるためのグラフィック処理装置(GPU)、データパイプラインなどのインフラも必要だ」と話した。
こうした提言の背景には、韓国の自動運転技術の発展速度が米国、中国に比べて遅いという問題意識がある。自動運転技術は米・中が優位を占めている。ロボタクシーの商用化に成功した4社もウェイモ(Waymo 米国)とバイドゥ(百度 中国)、ウィライド(文遠知行 中国)、ポニーエーアイ(小馬智行 中国)だ。産業銀行産業技術リサーチセンターのチェ・ジンウク融合モビリティチーム長は「中国が最近、レベル3(条件付き自動運転)車両の道路走行を許可し、自動運転の商用化を先導している」とし、「ロボタクシーの場合、欧州と日本、中東地域でも今年からサービスが本格的に拡大する見通し」と述べた。さらに「自動運転は逆らえない方向であるだけに、現代自動車など韓国の完成車メーカーはソリューション開発に集中しなければならない時点」と付け加えた。
チェ教授もやはり「韓国型自動運転技術開発戦略」を用意しなければならないとし、特にデータと関連した政府の前向きな支援が重要だと話した。彼は「外国技術を持ってきて自動運転サービスをするということは大きなパイを放棄することなので、独自の人工知能モデル設計が必要だ」として「ビッグテック(巨大技術企業)を中心に良い人材を引き込み技術を開発した米国と、政府主導で技術生態系協力体系を作った中国の中間地点として(均衡を)よく取らなければならず、その際には政府の役割が重要だ」と指摘した。彼はまた「データ関連規制が緩和されてこそ技術が発展できる」として「自動運転専用のGPU共有・貸与事業も推進されなければならない」と話した。
韓国政府も支援の意思を明らかにした。この日の討論に参加した国土交通部のパク・ヨンソン自動車政策課長は「今年、光州広域市で自動運転車200台を運行する実証事業を進め、ドライバー制御支援システム(DCAS)車両制度関連の国際議論に参加して制度を整備する」とし、「一度に米国、中国に追いつくことはできないが、制度的・技術的に支援しながら、少しでも早く段階的に追いつくよう努力する」と述べた。
個人情報保護委員会のコ・ナクジュン新技術個人情報課長は「自動運転業界が人工知能学習の目的で原本映像データを活用できるようにする法案が1月中に国会本会議を通過するものと見られる」として「多様な自動運転分野で良質のデータを使えるよう規制緩和を推進する」と話した。
業界では、自動運転車が道路上の様々な変数に柔軟に対応できるためには、AI基盤のEnd to Endシステムが必要だと口をそろえる。End to Endシステムは、人々の走行データを模倣学習して認知・判断・制御過程を一度に処理する方式で、危険状況が発生する度に細部調整(チューニング)をしなければならないルール基盤の自動運転より効率的だ。NVIDIAが5日、世界最大の家電・情報技術(IT)展示会「CES2026」で公開した自動運転AIモデル「アルファマヨ(AlphaMayo)」にEnd to Endシステムが適用された。テスラはこのようなシステムを2024年のFSDV12から導入した。
2026/01/14 15:56
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/55189.html