「T800」。「カンフーロボット」というニックネームを持つ中国のヒューマノイドだ。回し蹴りは正確で、前蹴りは人を超えるほど強力だった。映画『ターミネーター』のサイボーグ「T800」に似ているとして付けられた名前だ。製作会社は広東省深圳に本部を置くエンジンAIだ。「杭州にユニツリーあれば、深圳にはエンジンAIあり」という言葉が出るほど急浮上しているロボット会社だ。
この会社の株主名簿に見覚えのある名前があった。「サムスンベンチャー投資(57号)」がそれだ。サムスングループの創業投資会社であるサムスンベンチャー投資が株式の5.67%を持っている。5番目の大株主だ。ネット通販で知られる京東がサムスンに続く株主として参加している。
サムスンベンチャー投資57号はサムスン電子の未来の収益源発掘に向け組成されたファンドだ。家電工場などに導入されるフィジカルAI分野のベンチャー企業が主な投資ターゲットだ。サムスンがエンジンAIをビジネスパートナーと考えているという話だ。特にこの会社のアクチュエーターに関心が多いという。今回の投資が中国のロボット技術を狙った戦略的布石と解釈される理由だ。猛烈に突進する虎の背中に乗った様相だ。
ビジネス格言に「良いビジネスマンは市場ではなく企業を買う」というものがある。市場に出て行き製品を売る工夫をするよりは、有力な現地企業を買収しその会社を通じて市場に進出するという意味だ。
日本のTDKがそうだった。この会社は世界的なバッテリー会社に成長したCATLの設立初期の2011年に株式投資を断行し、これまで共生関係を続けている。TDKはCATLを通じて中国市場での活動領域を広げ、CATLはTDKを前面に出して米国市場を攻略している。
事例は多い。インテルは北京のAI半導体専門会社であるホライズンに投資し、フォルクスワーゲンは電気自動車技術確保に向け約7億ドルを投資してシャオペンの株式5%を保有した。韓国企業では昨年8月にLGがロボット会社アジボットへの戦略的投資を進めた。
中国のハイテク崛起の勢いは恐ろしい。その勢いに押され遅れをとっているわけにはいかない。そこで必要なのが「市場ではなく企業を買う」戦略だ。中国の有望ベンチャー企業に投資して成長の果実を分け合い、ともに成長しなければならない。未来のユニコーンを発掘できる知恵が必要な理由だ。現代自動車の米ボストン・ダイナミクス買収が同じ脈絡の成功事例だ。サムスンのカンフーロボットへの投資はその道が中国でも開いていることを見せている。
ハン・ウドク/チャイナラボ先任記?
2026/01/19 11:35
https://japanese.joins.com/JArticle/343590