失速したトランプ大統領、暴走する高市首相、韓国は【コラム】

投稿者: | 2026年2月5日

 新年が明けると、ドナルド・トランプ大統領は、ベネズエラとグリーンランド、ミネアポリスをめぐり暴走したが、すぐに勢いを失った。混乱を引き起こしたトランプ大統領の失速は、東アジアでは、日本の高市早苗首相の暴走という風船効果として現れている。

 一つずつみてみよう。勢い盛んだったトランプ大統領の移民取り締まりは、ミネアポリスで市民2人が射殺されたことで、激しい逆風に直面している。トランプ大統領に反対する市民の怒りも大きいが、共和党の支持層でも反発が強まった。共和党の牙城であるテキサス州、その中核である「ルビーレッド」と呼ばれる州上院第9選挙区(SD-9)の補欠選挙で、民主党候補が57%を獲得し、43%を得た共和党候補を14ポイント差で打ち破った。そこでは前回の大統領選の際、トランプ大統領は17ポイント差で勝利した。ダラス・フォートワース(DFW)複合都市圏にあたるその地域は、テキサスの大都市と郊外をカバーする。激戦州の大都市圏では、民心が民主党側に傾くことが明らかになった。

 トランプ大統領は、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の拉致成功に酔いしれ、グリーンランドをめぐり暴走し、欧州側の反撃にあうと、尻尾を巻いた。グリーンランドで合同軍事演習を実施した欧州8カ国に報復関税を警告すると、欧州連合(EU)による930億ユーロ規模の報復関税、昨年米国と結んだ貿易協定の承認手続きの保留、米国企業の欧州市場への参入や入札を制限する「通商脅威対応措置」の発動に直面した。欧州8カ国は米国の脅しを「マフィア式手法」「新植民地主義」と呼び非難した。トランプ大統領にただ頭を下げているだけだった欧州が変わった。

 この直後にEUは、インドと20年間にわたり続けていた自由貿易協定の交渉を、先月27日に電撃的に妥結させた。英国のキア・スターマー首相も28日、中国を訪問した。戦略的パートナー関係を再確認し、関係拡大を図った。スターマー首相は中国訪問中、「英国は米国と中国の間で選択を強制されない」とメディアに繰り返し語った。トランプ大統領の一方的な対中圧力に今後は加担しないということだ。

 これに先立ち、カナダのマーク・カーニー首相も中国を訪問し、両国関係の拡大に合意し、スイスのダボス会議に出席した際、米国を念頭に置き、強大国の圧力に対抗する中堅国の独立と団結を訴えた。米国の西側同盟国が、対米依存度を減らすための関係多角化に乗り出したのだ。

 さらにトランプ大統領は、インドに対しても尻尾を巻いた。トランプ大統領が昨年、インドとの関税貿易交渉が思うように進まず、ロシア産石油の輸入を口実に課していた報復関税を、2日に撤回することを表明した。インドがロシア産石油の輸入中止を決めたことを名目にしてのことだ。しかし、インド側は、トランプ大統領の発表を歓迎したが、ロシア産石油の輸入中止については一言も触れていない。インドメディアは、ロシア産石油の購入中止ではなく、米国などからの石油輸入の多角化に過ぎないにもかかわらず、トランプ大統領が完全中止したと偽りの主張をしていると評している。トランプ大統領は昨年秋から、インドがロシア産石油の購入を中断することにしたと主張してきたが、インド政府側は毎回それに反論してきた。

 トランプ大統領が立ち往生すると、東アジアでは、高市早苗首相が独自の生き残り策を模索し始めた。高市首相は就任からわずか4カ月後の8日に国会解散と総選挙を実施する。高市首相の支持率は70%前後にも達するため、これを機に自民党の少数与党の立場を変えようとする試みだが、日本の保守勢力も戸惑っている。

 高市首相の総選挙強行の裏には、「台湾有事は日本の存立危機事態」発言による窮状がある。発言撤回を求める中国の全方位的な圧力を前に、総選挙勝利で耐え抜こうという戦略だ。トランプ大統領の米国が日中対立で日本側を明確に支持しないことも、影響したのだろう。今回の総選挙では、自民党が過半数の議席を獲得する可能性が高い。日本の保守を代表する読売新聞も、総選挙勝利を目的とする高市首相の消費税減税などの右派ポピュリズムを懸念している。

 韓国としては何よりも、総選挙後に右派ポピュリズムで武装した高市首相の日本と中国の対立が心配される。今では、中国の国内総生産(GDP)は日本の4倍以上ある。日本の高市政権が総選挙勝利を盾に、対外的にも右派ポピュリズムで暴走する場合、中国からどのような対応が出てくるのか、東アジアにどのような波が押し寄せるのか、想像したくもない。

 米国の西側同盟国は、いまや米国から選択を強制されないと言い始めている。東アジアで右往左往するトランプ大統領の米国、恐竜のように巨大化する中国、強硬手段で対抗しようとする日本の間で、韓国も選択を強制されずに切り抜けていかなければならない。

2026/02/04 18:43
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/55368.html

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