ドナルド・トランプ米大統領の「関税再引き上げ」圧力の火種が、韓米間で合意された原子力潜水艦、ウラン濃縮・使用済み核燃料の再処理などの安保分野における後続議論にも広がっている。
ウィ・ソンラク国家安保室長は5日、ハンギョレに「関税問題はすでに発生しており、収拾しなければならないが、問題はその後遺症が他の分野に及ぶかもしれないことだ」とし、「米国に関税と外交・安全保障を同時に扱う気流がある。そのため(協議が)遅れているが、これに積極的に対処しなければならない」と述べた。トランプ大統領の関税再引き上げ宣言で関税交渉が事実上決裂し、その余波が原潜や韓米原子力協定の改正など安全保障分野の今後の議論にも悪影響を及ぼしているという意味だ。
ウィ室長はこの日、「京郷新聞」とのインタビューでは「本来なら(米国側の安保交渉チームが)今ごろ韓国に来て協議しているはずなのに、(協議が)遅れている」とも述べた。ウィ室長が昨年12月に米国を訪問した際、原潜やウラン濃縮、使用済み核燃料の再処理などの議論を進め、米国側の実務当局者が今年初めに訪韓することで合意したが、韓米間の投資と関税問題をめぐる対立が深まる中、訪韓日程が延期されているという。
韓米首脳会談の合意事項を基にしたジョイント・ファクトシート(共同説明書)は「関税・投資」と「安全保障分野」の合意の二本柱で構成されていたが、事実上「関税・投資」の柱が揺らいだことで、もう一つの軸でをある安全保障分野合意にもブレーキがかかるという懸念が現実味を帯びてきている。韓国政府は原潜とウラン・濃縮分野でスピードを上げ、11月の米中間選挙までに具体的な成果を出すことを目指していたが、この計画に支障が生じることになった。
韓国政府はまず、関税交渉の火種がさらに拡散し韓米間の合意全体が揺るがすことがないよう、米国と多角的な協議を続けている。これに関連し、米国を訪問中のチョ・ヒョン外交部長官は4日(現地時間)、クリス・ライト米国エネルギー長官と会談した。米国エネルギー省は、韓米首脳会談の共同ファクトシートに明記された韓国の原潜建造と濃縮・再処理推進において協力を得るべき主務省庁。両長官はこの会談で、ウラン濃縮及び使用済み核燃料の再処理、ならびに原潜をめぐる協力に関する具体的な進展を早期に作り出すべきという共通認識を再確認し、このため実務レベルで本格的な協議を早期に推進していくことで合意したと、外交部が5日に明らかにした。
韓国は韓米原子力協力協定の改正と原潜関連協議のためタスクフォース(TF)を構成するなど、実務協議の準備に拍車をかけているが、米国の準備状況は具体的に明らかになっていない。特にエネルギー省は韓国の濃縮・再処理権限の拡大などに留保的な気流が強いという。
チョ長官は先月3日にはマルコ・ルビオ米国務長官と会談し、年内の具体的な日程表に基づき原子力、原潜、造船などの核心分野での協力が成果をあげられるよう、ルビオ長官の主導的役割を要請した。外交部によると、会談でチョ長官は韓米関税合意履行の意志と対米投資のための国内の努力を説明し、通商当局間の円滑な疎通と協議が続くよう外交当局レベルでも継続協力することを提案したという。しかし会談結果をまとめた米国務省資料には関税問題に関する言及はなかった。
外交部当局者は「安保室長の(昨年12月の)訪米時に米国とファクトシート履行を迅速に進めようという共通認識があったが、関税合意問題が浮上したことが新たな現実であるため、韓米間で別の協議が必要な状況が発生した」とし、「問題の深刻さと重要性を認識し、状況を安定的に管理し円満に解決するための努力を拡大している」と述べた。
2026/02/05 18:27
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