米国のドナルド・トランプ政権が韓国に対し関税引き上げの圧力を加え続けている中、対米投資特別法の可決だけでは米国の要求に応えるのが難しい状況とみられる。韓国政府もこうした状況を認識し、外交・通商担当高官が総出動して全面的な状況管理に全力を注いでいる。
最近、ジェイミソン・グリア米通商代表部(USTR)代表は韓国高官との会談で、米国の主要貿易相手国別の貿易赤字規模が記された資料を提示した。グリア代表は「韓国との貿易赤字が大きすぎる」とし、「トランプ大統領の直接指示だ。非関税障壁の撤廃などを通じて貿易赤字を改善するか、そうでなければ関税を引き上げてバランスを取るというものだ」と述べたという。米国側は日本を事例に挙げ、日本が非関税障壁の解消に積極的に取り組んでいるとし、日本の具体的な措置リストまで提示したという。同会談に出席した高官は「(現在の状況を招いた要因は)非関税障壁だ」と述べた。
こうした状況にもかかわらず、非関税障壁を議論する公式チャンネルである韓米自由貿易協定(FTA)共同委員会は、昨年12月に米国の一方的な取り消しで中断されて以来、未だ再開の日程を決められずにいる。当時米国は、韓国が非関税分野について満足できる譲歩案を出していない点、デジタル規制法案を推進している点などを問題視したという。その後、韓国で「情報通信網法改正案」(虚偽操作情報根絶法)が可決されたことを受け、米国政府は国務省報道官名義の声明まで出して反発した。ワシントンのある情報筋はハンギョレに「米国企業の情報通信網法に対する不満はかなり大きい」とし、「デジタル分野の規制に対する不満はいつ爆発するか分からない時限爆弾のような状態だ」と語った。
「クーパン問題」についても米国側から直接的・間接的に不快感を示すシグナルが送られている。マルコ・ルビオ国務長官は先月3日、チョ・ヒョン外交部長官との会談で、「クーパン」という言葉は使わなかったが、当該案件を連想させる発言をしたという。
ヨ・ハング通商交渉本部長は同日、米議会議員20人余りと非公開会合を行ったが、話題は「クーパン」一点に集約されたと、ブルームバーグが6日付で報じた。米下院司法委員会もクーパン案件について正式調査に着手した。
このような通商圧力は安全保障をめぐる協議にも直接的な影響を与えている。チョ・ヒョン外交部長官は最近ワシントンで開かれた特派員懇談会で、ルビオ長官が会談に先立ち「通商関連で米国の雰囲気が良くない」と事前警告とも取れる発言をしたことを異例にも公開した。
チョ長官は通商分野の軋轢(あつれき)が安保分野に拡散するのを遮断するため、米議会関係者らも広く接触したが、米政界では韓国と米国の安保分野合意を問題視する声が相次いでいる。民主党所属の米上院議員4名が最近、トランプ大統領に韓国の原子力潜水艦の導入などに反対する書簡を送るなど、けん制の気流が感じられる。議会の反対が本格化した場合、行政府レベルの協議も失速する可能性がある。
2026/02/08 14:55
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