【時論】「高市1強」の日本、韓日関係はどこへ向かうのか

投稿者: | 2026年2月10日

東海(トンヘ、日本名・日本海)に面した新潟県は野党が強い地域だ。野党・無所属対自民党の衆議院選挙区の対決は2024年が5対0、2021年と2017年が4対2だった。日本最大のコメ生産地であり自民党政治の象徴である田中角栄元首相の本拠地という点で意外だ。しかし2・8総選挙では状況が180度変わった。自民党が5区すべて奪還した。劇的な反転は今回の選挙を圧縮している。

自民党は首都圏の東京都と神奈川・埼玉県を席巻し、千葉県では1議席だけを逃した。戦後最多議席(316議席)を獲得し、単独で衆議院全体議席(465議席)の3分の2を超えた。高市早苗首相の人気が日本列島をのみ込んだ。

 総選挙で2012~2020年当時の安倍晋三首相1強に匹敵する高市1強が始まった。国家と安全保障を前面に出すアベイズム2.0の幕も上がった。周辺国に広げてみると、現代版の皇帝とツァーに続いて絶対権力が誕生したということだ。総選挙は類似政権交代の完結版だ。自民党内の岸田文雄、石破茂元首相の穏健保守から強硬保守への権力・路線移動に釘を刺した。自民党を離れた保守票が戻ってきた。

党内主流勢力の交代で権力を維持するのは自民党のDNAだ。台湾有事への対応をめぐる中国との対立も保守票を団結させた要因であるようだ。国民の危機意識は強いリーダーを生む。

高市氏の圧勝は保守陣営の念願の解決の動力となる見通しだ。高市氏は今回の選挙を「国論を二分するような大胆な政策に対する審判」と言った。さらに連立パートナーが変わった。「平和の党」を標ぼうする公明党が離脱した連立政権の議席をタカ派性向の日本維新の会が埋めた。ブレーキでなくアクセラレーターが共にする。安倍1強時代の集団的自衛権容認とこれを制度化した安保法制定、国家安全保障会議(NSC)創設などと軌を一にする画期的な措置が取られる可能性が高い。

一つは「非核三原則」の見直しだ。1967年から核兵器の製造・保有・搬入を禁止した国是が変わる可能性がある。高市氏はこの三原則が含まれた「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定方針をすでに明らかにした。10年ごとに改定するこれら文書を3年余りで変えるということであり、その意志が感じられる。争点は搬入の部分改定だ。高市氏はその必要性に言及してきた一方、維新会は核の共有を公約に掲げた。武器輸出規制の足かせが外れるのも時間の問題だ。

もう一つは情報機能の強化だ。首相官邸にNSCと同格の国家情報局の創設が既成事実化された。高市氏は対外情報庁創設とスパイ防止法の整備も視野に入れている。安保・情報関連問題は共に揮発性が強い懸案だ。自民党は改憲も掲げたが、参議院の議席数が改憲発議要件の3分の2にはるか足りない。2年後の参議院選挙まで雰囲気の醸成に注力する可能性がある。日本政界で約30年前に出てきた「普通の国日本」が今後さらに鮮明になるようだ。

韓日関係はより一層成熟したパートナーシップの構築が関心事だ。そのためには保守アジェンダ実現過程に関する日本の説明が求められる。現在、両国首脳のシャトル外交は定着した。李在明(イ・ジェミョン)政権の対日実用外交基調も確実とみられる。昨年、両国の相互訪問客が1300万人時代を開くほど底辺は厚い。日本でテレビをつければ韓国ドラマが放送されている。相互交流と文化を越えてウィン・ウィンの経済協力の枠作りは課題だ。

韓日関係の新しい青写真も注文したい。1965年の韓日国交正常化は米ソ冷戦期の産物だ。1998年の韓日パートナーシップ共同宣言は脱冷戦期の賜物だ。今日の交流協力の支柱になった。韓日はいま米中覇権対立の渦に巻き込まれている。中国の崛起と膨張主義、米国の孤立主義と打算主義の流れが明確だ。同盟は求心力より遠心力の方が強く見える。韓日戦略的協力の拡大が不可欠な時だ。相互信頼を基盤に新たな60年に向けた共同利益のレンガを一つずつ積み上げていくことを望む。

呉永煥(オ・ヨンファン)/ソウル大国家未来戦略院客員研究員/元駐新潟総領事

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2026/02/10 13:23
https://japanese.joins.com/JArticle/344651

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