◇漢陽(ハニャン)大学グローバル文化通商学部シン・ジョンホ教授の発題:韓半島(朝鮮半島)の戦略環境の変化と展望
漢陽(ハニャン)大学グローバル文化通商学部のシン・ジョンホ教授は、米中戦略競争が深化するなか、韓半島情勢を短期的な局面の変化ではなく、構造的な観点から見つめるべきだと指摘した。シン教授は「戦略環境の変化を追うばかりでは、一喜一憂せざるを得ない」とし、「むしろ変わることのない国際秩序の構造を把握することが韓国の戦略的選択において重要」と述べた。
シン教授は、現在の国際秩序を単極や双極ではなく「多極的な世界秩序」と規定した。米国の相対的な影響力の弱体化と中国の台頭が同時に進行しており、これは短期的な現象ではなく長期的な潮流だと説明した。そのうえで、「ドル覇権の弱体化、人民元決済の拡大、グローバルな国力分布の変化などを総合すると、米国は依然として中核国家ではあるが、過去のような絶対的な覇権国家ではない」と診断した。
米中関係については、トランプ第1次政権以降に形成された「戦略的競争者」という認識が、政権交代に関わらず持続する可能性が高いと分析した。シン教授は「米国の民主・共和両党ともに、対中牽制(けんせい)という大きな枠組みでは意見がまとまっている」とし、「米中関係が過去の協力局面へと回帰する可能性は低い」と述べた。
特に、最近の米国政策談論において「デカップリング」や「デリスキング」を超えて、「コンテインメント(封じ込め)2.0」という表現が登場した点に注目した。シン教授は「米中関係は短期的には浮き沈みを繰り返すが、長期的には牽制と圧迫が持続する構造」とし、「こうした構造を看過したまま短期的な変化にのみ対応することは危険だ」と指摘した。
米中の通商葛藤に関しては、米国の対中貿易赤字が縮小したにもかかわらず関税や制裁が維持・強化されている点を挙げ、「単なる経済問題ではなく、技術・安保競争へと性格が変化した」と評価した。電気自動車(EV)・半導体・レアアース(希土類)などの戦略産業における競争は、安保論理と結びついて長期化する可能性が高いということだ。
中国の対応戦略について、シン教授は「長期戦」を核心に挙げた。米国の制裁にもかかわらず、一部の先端技術分野では中国独自のイノベーションが加速しており、米中の相互依存構造も非対称的に変化していると分析した。シン教授は「米国の対中依存度は維持または深化している一方で、中国の対米依存度は減少している」とし、「これは相互依存の武器化が持つ、もう一つの逆説だ」と説明した。
シン教授は、韓半島を取り巻く東アジアの戦略環境については「勢力圏争い」と規定した。「韓米日と朝中ロの構図が単純な新冷戦として固定化していると見るのは難しい」とし、「特に中国は、朝中ロの密着が新冷戦へと発展することに対して、相当な警戒心を持っている」と述べた。最近の中韓関係についても「全面的な復元」というよりは、葛藤管理の局面と見るのが正確だと付け加えた。
韓国の対応戦略としては「戦略的自律性」の確保を目標としつつ、事案ごとに「戦略的明確性」と「戦略的曖昧性」を区分すべきだと提言した。シン教授は「不確実性が長期化する米中の通商・技術競争においては戦略的曖昧性が有効だが、独島(トクド、日本名・竹島)や西海(ソへ、黄海)問題のような核心的利益に関わる事案では明確性が必要だ」とし、「台湾問題はその境界線に置かれた最も難しい課題だ」と評価した。
シン教授は、「国際秩序は急速に変化するが、多極化と米中競争という構造的な流れは簡単には変わらない」とし、「韓国は変化する局面と変わらない構造を区分して対応戦略を設計し、役割を積極的に模索すべきだ」と強調した。
2026/02/10 14:50
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