【鮮于鉦コラム】歴史の「正しい側」は愚か者でも理解できる【朝鮮日報】

投稿者: | 2026年2月18日

 自分の孫に生涯で一度だけプレゼントするなら? 年末のある集まりで投資の専門家からこんな話を3回聞いた。孫ができそうな年齢のグループで最近流行する話だそうだ。贈与税が免除となる範囲内で「NASDAQ100」を残せという話だ。NASDAQ100とは米国のNASDAQ市場に上場された100種類の株式の指数だ。「今1000万ウォン(約110万円)のファンドを購入し相続すれば、20年後には2億ウォン(約2100万円)をプレゼントできる」という説明だった。

 計算としてはあまりに単純だ。多少の変動はあってもNASDAQ100は年平均15%上昇してきた。株価は複利だ。今1000万ウォンを投資すれば20年後に2億ウォン近くは期待できるだろう。20年預けるという言葉は米国というシステムへの強い確信に基づいている。AI(人工知能)の概念と構造を作り上げ、学習を通じて知能を生成し、ハードウエアを開発して世の中を大きく発展させた米国の核心的なシステムだ。サムスン電子やSKハイニックスなど、韓国株式市場の躍進もそこが出発点になっている。

 S&P 500への投資は今の米国を、NASDAQ100への投資は未来の米国を買うことを意味するそうだ。昨年1年間に韓国人が購入した「米国」は100兆ウォン(約11兆円)、これまでの累計は250兆ウォン(約27兆円)だ。孫に贈与するプレゼントといった長期投資が少なくないという。米国のトランプ大統領はあまりに無道だが、米国という国のシステムそのものに対する信頼はそれほど強固だ。もちろんこの信頼は1日や2日で築かれたものではない。中国のAI研究者が研究室で徹夜でがんばっても、この信頼だけは米国に及ばない。全く別次元ではあるが今ほど生活の周辺で自らの「親米」を実感したことはない。

 本紙の李漢洙(イ・ハンス)記者が数年前に書いたコラム「最も不幸な世代」を共感しながら読んだ。例えば1580年生まれの人たちは10代で壬辰(じんしん)倭乱(文禄・慶長の役)、40代で丁卯(ていぼう)胡乱、50代で丙子胡乱を体験したという。つらい運命だが、実際に当時はそんな世の中だった。日本も戦国時代終盤で、中国も戦乱の時代に入ろうとしていた。欧州では30年戦争という地獄が待っていた。ではそんな悲惨な世の中ではないはずなのに韓国史で最も不幸な世代があるかと考えると、それはおそらく北朝鮮で1960年代に生まれた人たちではないだろうか。

 記者は1967年にソウルで生まれた。平安北道定州出身の父が解放直後に韓国に来ていなければ北朝鮮で生まれていただろう。北朝鮮の1967年は最後の政敵が除去され、金日成(キム・イルソン)個人の閥族権力だけが残った年だ。本来あるべき政治は消え、経済は貧しさだけが残った。首領様の称賛が唯一の文化で、これは宗教にもなった。その中で育った北朝鮮の1967年生まれは20代後半の時に数百万人が犠牲となった「苦難の行軍」を体験した。北朝鮮で生まれていれば記者もおそらくこの世にはいなかっただろう。

2026/02/18 05:48
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2026/02/13/2026021380155.html

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