競技中に突然倒れ込んだメダル候補…雪原を溶かした切ない物語

投稿者: | 2026年2月20日

「いまだに父のいない人生を受け入れたくないと思うことが多い。でも今日だけは、初めてこの現実を本当に受け止めることができた」

18日(日本時間)、2026ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪アルペンスキー女子回転で金メダルを獲得した“スキー女王”ミカエラ・シフリン(米国)は、感想を語りながら亡き父を思い出した。父ジェフさんは2020年2月、65歳でこの世を去った。父は大会のたびに娘に付き添う心強い存在だった。

 麻酔科医だったシフリンの父は、用具の点検や日程管理、医療面での助言まで担い、娘が成績に苦しむときも平常心を保てるよう支えてきたことで知られている。そのおかげでシフリンは動揺することなく実力を発揮してきた。彼女は2014年ソチ冬季五輪で回転金メダル、2018年平昌(ピョンチャン)冬季五輪では大回転金メダルと複合銀メダルを獲得した。

父を失ったシフリンは大きな衝撃を受け、当時出場していた2019~20シーズンを途中で終えた。父を失ってから初めて臨んだ2022年北京冬季五輪では、まさかの「ノーメダル」に終わった。今大会でも序盤は苦戦が続いた。最初の出場種目だった団体複合ではブリージー・ジョンソンと組み、合計2分21秒97で4位に終わり表彰台を逃した。続く大回転でも11位に沈み、2大会連続でメダルを逃す危機に直面した。しかしシフリンは、今大会アルペンスキー女子最後の競技であり、主種目でもある回転で金メダルを獲得した。父を思い浮かべ、目に涙をにじませた。

深い悲しみを抱えながら五輪に出場した選手はほかにもいる。フィギュアスケートのアイスダンスで銅メダルを獲得したパイパー・ギレス(カナダ)は、平昌大会で初めて五輪の舞台に立った。入賞は逃したものの8位に入り期待を集めた。しかしその喜びも長くは続かなかった。同年5月、母ボニーさんが脳腫瘍で亡くなった。

その後ギレスは「母が亡くなってから、スケートは私にとって新たな意味を持つようになった」とし、「心の奥深くでいつも母を思いながらリンクに立ってきた」と語った。再び練習に打ち込み出場した北京冬季五輪では7位に入った。だが再び試練が訪れた。同年10月、卵巣がんと診断され手術を受けた。それでも乗り越えた。卵巣がんが完治し、3度目の五輪挑戦となった今大会でついに銅メダルを手にした。

米国のフィギュアスケート選手マキシム・ナウモフは、昨年1月の旅客機事故で両親を同時に亡くした。両親は1994年世界フィギュアスケート選手権優勝者で、その後は指導者として活動し、ナウモフにとって師のような存在だった。メダルには届かなかったが、ナウモフはキス・アンド・クライで得点を待ちながら、幼少期に両親と撮った写真を取り出し、「この写真は胸元の斜め掛けのバッグの中にいつも入れている」と語った。

ノルウェーのスキー選手アトレ・リー・マクグラスは、今大会の男子アルペンスキー回転の優勝候補だった。しかし思わぬ行動で好機を逃した。1回目をトップで終えながら、2回目で途中棄権した後、ストックを投げ捨て、コースを離れて雪上に倒れ込み、失格となった。理由は後に明らかになった。大会開会式の日に祖父が亡くなったとの知らせを受け、大きな衝撃を受けていたためだった。マクグラスは「一人になる時間が必要だった」とし、「普段はこんなに感情的になるタイプではないが、今回は最愛の祖父を亡くしたばかりで、本当に苦しかった」と打ち明けた。

2026/02/20 10:32
https://japanese.joins.com/JArticle/345099

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