岸田首相、中国の李強首相と会談…台湾包囲訓練に「軍事情勢を注視」

投稿者: | 2024年5月27日

 韓中日首脳会議に出席するため韓国を訪問中の日本の岸田文雄首相は26日、中国の李強首相との首脳会談で、中国の軍事活動に対して「深刻な懸念」を表明した。また、日本産食品の輸入規制の即時撤廃を求めた。

 岸田首相は、韓日および日中首脳会談が終わった後、日本の記者団に対しこのように明らかにした。岸田首相は李首相との会談の際、中国による日本周辺での軍事活動の活発化について「深刻な懸念を表明した」とし、「南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区の状況に対する深刻な懸念を表明した」と述べた。さらに台湾問題に関しては「台湾に対する最近の(中国の)軍事情勢を含む動向を注視している旨を伝えた」と述べた。中国が台湾の頼清徳総統就任4日後の23日、中国が台湾を包囲する形で軍事訓練を始めたことを念頭に置いた発言とみられる。また、「台湾海峡の平和と安定は日本を含む国際社会にとって極めて重要である旨を強調した」と明らかにした。

 福島第一原発の汚染水の海洋放出問題に関しては「IAEA(国際原子力機関)のモニタリングが中国の理解を促進することを期待する」とし、日本産食品の輸入規制の即時撤廃を求めたと述べた。日本は、中国・韓国の専門家を含めIAEAの調査団が汚染水の放出状況を定期的にモニタリングしており問題はないと主張しており、岸田首相はこの主張を繰り返したといえる。また、昨年8月の汚染水海洋放出開始後に中国が開始した日本産水産物の全面輸入禁止の撤廃も要求したということだ。

 岸田首相は中国と「戦略的互恵関係の包括的な推進、建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性に沿って進展を図っていくことを確認した」とも述べた。

 「戦略的互恵関係」とは、2006年に安倍晋三首相が胡錦濤国家主席との会談で合意した内容で、日中間には解決しなければならない懸案があるが、共通の利益を拡大して全体的な関係は悪化させないというのが核心的内容だ。岸田首相と李首相は昨年9月、インドネシアのジャカルタで開かれたASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議の際に会い、しばし立ち話を交わしたことはあるが、正式な会談は今回が初。

李首相が岸田首相の発言に対してどのように反応したかは、すぐには明らかにされなかった。

 ただし、この日取材陣に公開された会談の冒頭発言で、李首相は「国際情勢が両国関係に少なからず影響を与えている」とし「われわれの間にある意見の隔たりをうまくコントロールし、新時代の要求に合った建設的で安定的な中日関係の構築に努力したい」と述べた。

 この日、岸田首相は日本の記者団に対し、韓日首脳会談については「全体として日韓関係をさらに前に進めていこうという強い思いを示し、私と尹大統領との間で共有することができ、大変有意義だった」と、主に前向きな発言を行った。

 日本経済新聞は同日付けの記事で「日韓関係の改善でそろって中国に様々な懸案に対し問題提起しやすくなった側面もある」と指摘した。また、匿名の外務省幹部が「今回の日中韓サミットはこれまで『日本対中韓』だった構図が初めて『日韓対中国』になる」と解説したと伝えた。

2024/05/26 23:01
https://japan.hani.co.kr/arti/international/50132.html

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