【コラム】エネルギー源・サプライチェーン多角化、海外資源開発・投資を増やすべき=韓国(2)

投稿者: | 2026年5月1日

◆電力資機材の国産化、エネルギー安全保障の課題

問題は、海外資源開発を「積弊」に追い込んだトラウマだ。公企業と民間の双方が投資を避けることになり、関連の生態系自体が崩壊した。資源開発は数十年先を見据えた長期投資だ。「成功か失敗か」という二分法で資源開発を政争の道具にする悪循環を断ち切れなければ、危機が訪れるたび無対策になるしかない。日本の自主開発比率(政府や民間企業が国内外で直接開発・確保した石油・ガスの生産量を国内消費量で割った比率)は50%近い。これは海外資源に対する自国所有権が莫大であることを意味し、今回の危機のような困難な時期には大きな力となる。

 3つ目、電力安全保障に対する新たな認識を確立しなければいけない。未来の重要なエネルギー戦略は電気化だ。国内で長期的かつ安定的に電力を生産できる資源は原子力発電だ。原発は国内電力生産の31%を担う最大の無炭素エネルギー源であり、間欠的な再生可能エネルギーが増える状況においても安定的に電力を24時間生産できる唯一の安保資産だ。政府は稼働率を80%まで引き上げるため整備中だった原発の再稼働も繰り上げた。このためには核燃料の自立のための濃縮施設から再処理まで、全過程にわたる国内バリューチェーンが形成されていなければならない。

再生可能エネルギーは国内生産が可能だが、天候などの変数が大きいうえ、エネルギー貯蔵システム(ESS)を設置しても安定的な電源にはならない。エネルギー安保の代替案となるには、中国依存から脱却し、機材の国産化とともに、電力システムを全面的に改編する必要がある。送電網を適時に構築し、ESSを適切に配置し、産業団地や家庭への電力供給が途絶えないようにしなければいけない。欧州11カ国と送電網がつながっているドイツは韓国の直接的な比較対象にならない。他国と電力網を連結できない独立系統の限界を克服する韓国型モデルが要求される。

◆戦略物資サプライチェーン分散努力を

最後に、有事においてもAIを稼働させることができる体制を整えなければいけない。AIデータセンターが分析した資料を基づいて戦略を立て、打撃地点を決定して戦闘機を飛ばし、ドローンを運用する体系へと戦争の方式が変化している。AIのための半導体サプライチェーンの資源管理とともに、電力供給の安定性が保障されなければならない。新しい電力システムはAIを通じて非常時に備え、平時には先端産業の育成やフィジカルAI、ソブリンAIに必要な十分かつ安定的な電力を供給する体系を備える必要がある。

エネルギー安保を国家の存亡と生存の問題として接近することが求められる。エネルギー安保を経済および国防安保を網羅する実質的な国家最高目標に設定し、ガバナンスの観点から産業・エネルギー・外交を一つにまとめるコントロールタワーを構築する必要がある。政府レベルの「国家エネルギー安保委員会」の常設化がその答えだ。これを通じて外交チャンネルとサプライチェーンの確保、産業保護、電力需給に対して総体的かつ多面的に対応しなければいけない。

また、原発やLNG、再生可能エネルギー、鉱物資源など、あらゆるカードを動員したバランスの取れたエネルギーミックスを追求するべきだ。ヘリウム、ナフサ、尿素など、少数の国に集中している戦略物資のサプライチェーンも分散させる必要がある。供給先の多角化、海外資源の確保、電力安保の再設定、サプライチェーンの回復力強化など、新しいエネルギー安保の体系と改編が急がれる。これは政権を超える長期的な戦略でなければいけない。未来の世代に安定した経済および安保環境を引き継ぐためにも、今はエネルギー安保とサプライチェーンの確保に国力を注ぐことが求められる。

チョ・ホンジョン/檀国大経済学科教授

2026/05/01 14:33
https://japanese.joins.com/JArticle/348472

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