「私は誇り高い韓国系米国人です。そして妻であり母であり、元下院議員です」
ドナルド・トランプ米大統領が駐韓米国大使に指名したミシェル・スティール(韓国名パク・ウンジュ)氏(71)が、自身のSNSプロフィールに掲げている自己紹介だ。同氏は「たとえ私の英語が流ちょうでなくても、私の声は明確で立場は確固としている」と述べ、移民出身政治家としての信念も堂々と明らかにしている。
ミシェル氏は今月初め、自身の政治基盤であるカリフォルニアを離れ、ワシントンで20日(現地時間)に予定されている人事聴聞会を準備している。側近らは18日、中央日報紙に「スティール氏は韓米関係がどれほど重要かを正確に理解している」とし、「大使に就任すればトランプ大統領と積極的に疎通し、両国関係発展のために必要なことを黙々と遂行するだろう」と語った。
◇「大統領と“常時通話”できる初の大使」
側近らが語る「大統領との疎通」は単なる表現ではない。2024年11月、トランプ大統領は下院議員3選に挑戦していたミシェル・スティール氏を「米国で最も強力な女性下院議員」と持ち上げ、「私の完全かつ全面的な支持を受けている」と明らかにした。
トランプ大統領最側近グループに分類されるフレッド・フライツ米国第一政策研究所(AFPI)副所長は、こうしたトランプ大統領の支援に関連し、「ミシェル氏の起用は韓国にとって巨大なチャンスになるだろう」と語った。
フライツ副所長はこの日、中央日報の電話インタビューに応じ「これまでの駐韓米国大使の中で、大統領といつでも通話できる人物はほとんどいなかった」とし、「ミシェル氏は、歴代大使の中で、米大統領が自分に最も近い人物を直接任命した事実上初のケースだ」と評価した。
さらにフライツ副所長は、ミシェル氏の指名は米国が韓国の地位を日本と同等級へ格上げしたものだと説明した。フライツ副所長は「トランプ大統領が日本に側近であるジョージ・グラス大使を送った点を注視すべきだ」とし、「これは日本にとっても大きな利点になり、今や韓国もそうした利点を活用する機会を得た」と強調した。
現地消息筋も中央日報に対して「現在の駐日大使は不動産・投資銀行出身の側近グラス氏であり、駐中大使は上院議員出身のデービッド・パデュー氏だ」とし、「韓国に国務省出身の『実務型人事』ではなく、事実上初めて『大統領人事』である側近を送ったことは、韓国に対する外交優先順位を少なくとも中日と同レベルに引き上げるというシグナル」と語った。
◇「アメリカンドリーム」を実現した移民…50年ぶりの錦衣帰郷
ミシェル・スティール氏は1955年、ソウルで生まれた。1975年、失郷民出身の両親とともに米国へ移民した後、カリフォルニア州の州課税査定均一化局の委員やオレンジ郡行政責任者を経て、共和党の不毛地帯と呼ばれたカリフォルニアで2度連邦下院議員に当選した「アメリカンドリーム」の象徴だ。
長らく専業主婦として暮らしていたミシェル氏は、今でも韓国人記者との電話では「アイゴー! チャルチネッソヨ(お元気でしたか)」と韓国語で先にあいさつする気さくさで人気が高い。
人生の転機は1992年のロサンゼルス(LA)暴動だった。韓国系政治家の必要性を痛感したミシェル・スティール氏は、暴動翌年にLA市長選挙キャンプへ参加し、政治家となった。カリフォルニア州共和党委員長を務めた夫ショーン・スティール弁護士は、米国内では少数人種である韓国系のミシェル氏が共和党の核心へと成長する過程で強力な後援者となった。
ショーン氏は、ゴールドウォーターからレーガン、ブッシュ、トランプへと続く60年の米保守政治をすべて経験した共和党の大物だ。特に2003年、民主党所属のグレイ・デービス・カリフォルニア州知事を失職させ、アーノルド・シュワルツェネッガーを知事に押し上げた「知事リコール運動」を主導し、共和党の中心人物となった。
スティール氏夫妻と近い政界関係者はこの日の電話インタビューで「2016年大統領選当時、ショーン氏はカリフォルニア全党大会の財政部門を掌握し、トランプ氏の確固とした味方になった」とし、「韓国政府はミシェル氏に関連して、当面はミシェル氏の『ホワイトハウス権力』を、長期的にはショーン氏の『共和党ネットワーク』まで友軍として確保する機会とみなす必要がある」と語った。
2026/05/20 08:35
https://japanese.joins.com/JArticle/349313