中国ECサイト製品と戦う米・英・日の消費者団体…レゴやマテルなど玩具メーカーも参戦

投稿者: | 2024年5月31日

 中国EC(インターネット通信販売)サイトで販売されている製品が有害性のチェックなど安全性検査を受けない状態で輸入され、これが「安全対策の死角地帯」となり、各国は政府次元で対策に頭を痛めている。政府はもちろん、消費者団体や企業、また企業が会員となっているさまざまな団体も全力で中国製の有害製品を探し出し、国民への周知に力を入れている。

 英国の消費者団体「Which?」は今年2月、中国ネット通販サイトのティックトック・ショップとTEMUから8種類の電気ストーブを購入し実験したところ、6種類で安全性に問題があることが分かった。Which?は「使用中に火災が発生する恐れがある」との実験結果と共に、問題のある製品の写真に「買うな」という表示を付けて公表している。日本では昨年12月、AliExpress(アリエクスプレス)などで販売されているいわゆる「ほくろ除去クリーム」を使用して皮膚が壊死(えし)する事例が報告された。これを受け日本国民生活センター(NCAC)が調査に乗り出し、ホームページなどを通じて使用を控えるよう呼びかけている。米国の消費者製品安全委員会(CPSC)は「有害な中国製品リスト」を毎月ホームページで公表している。

 中国のECサイトから直接被害を受けている企業も中国の有害製品に対するモニタリングを始めている。中国製低価格玩具が市場で広がっているため、レゴやマテルなど世界的な玩具メーカーが加盟する欧州玩具協会(TIE)は今年2月、TEMUから19の玩具を購入し調査を行った。その結果18の玩具が欧州の玩具安全基準を満たしていなかったという。TIEは「中国製玩具で遊んでいると、手や指にけがをしたり窒息したりする恐れがある」「一部の製品からは基準の11倍以上のホウ素が検出された」などと発表した。化粧品や家庭用美容機器を製造・販売する韓国のAPRは先日、外部の調査機関と契約し類似製品の実態調査を行っている。APRの関係者は「APR製品をまねて作った製品が韓国国内に流通し問題が発生すれば、企業イメージが一気に悪化するので対策に乗り出した」とコメントした。

 消費者団体や企業による有害製品のモニタリングが相次ぐことについて専門家は「消費者に警戒心を持ってもらうと同時に、ネット通販サイトには自浄努力を促す効果が期待できる」と指摘する。檀国大学経営学部のチョン・ヨンスン教授は「英国、ドイツ、日本のように消費者団体が率先して海外ECサイト製品の有害性を公表し、政府がこれを規制することが順番としては正しい」と説明した。BCカードによると、中国のネット通販サイトの製品から発がん性物質が検出されたとのニュースが相次いだことを受け、これらサイトの先月の売り上げは3月に比べて40.2%も減少したという。

ソク・ナムジュン記者、シン・ジイン記者

2024/05/31 08:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/05/29/2024052980158.html

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