初夏の済州チェジュ)南方の会場、大きくうねる波の上に浮かぶ海上発射プラットフォームから、一筋の炎が空へ向かって打ち上げられる予定だ。国防科学研究所(ADD)主導による4回目の固体燃料宇宙ロケットの試験打ち上げだ。
今回の打ち上げは単なる技術実証を超える歴史的な節目にあたる。第1段から第3段までをすべて固体推進体で構成した「フルコンフィギュレーション(Full Configuration)」状態で、ハンファシステムが開発した100キログラム級の小型SAR(合成開口レーダー)偵察衛星を高度500キロの太陽同期軌道へ正確に投入する実戦的な任務だ。打ち上げに成功すれば、韓国は韓半島(朝鮮半島)周辺を監視する独自の低軌道偵察衛星網を、必要な時に稼働させることができる核心的な輸送手段を完全に手中に収めることになる。
固体燃料ロケット最大の長所は「迅速対応性」にある。複雑な配管や極低温燃料の注入が必要な液体ロケットとは異なり、固体ロケットは装填済みの弾丸のように推進剤が常時充填された状態で待機する。打ち上げの兆候を事前に露呈することなく、数時間から数日で奇襲的に衛星を打ち上げることが可能だ。周辺大国が宇宙資産の軍事化を急速に進める現在、この迅速打ち上げ能力はそれ自体が代替不可能な国家安全保障上のレバレッジであり、宇宙主権の象徴でもある。
◇大国が固体ロケットを手放さない理由
宇宙先進国が経済性への疑問や莫大な予算への批判を受けながらも、全段(Full-stage)固体式宇宙ロケットを維持し続ける背景にも、この安全保障上の力学があると考える。
最も典型的な例が日本宇宙航空開発研究機構(JAXA)の「イプシロン」だ。日本は世界最高水準の大型液体ロケットH3を保有していながら、固体ロケットを決して手放さない。イプシロンは大陸間弾道ミサイル(ICBM)技術と直結しており、人工知能や自動化技術を活用して、数台のノートパソコンと少人数だけで数時間以内に打ち上げを完了できる。
「低コストの打ち上げ機」というJAXAの宣伝は、すでにコメディのようなものになっているが、その真の価値は商業的利益ではなく、周辺国の挑発を未然に抑止する「見えない盾」としての戦略的抑止力にあると考える。
欧州の「ベガ(Vega)」シリーズも同様だ。新型ベガCは固体モーター制御の失敗により相次いで打ち上げ失敗を経験したが、欧州はこの計画を諦めなかった。宇宙安全保障資産の輸送を米国に100%依存することはできないという、独自の領空統制権への執念が根底に流れているためだ。
世界の宇宙大国における固体ロケットは、市場原理ではなく国家生存のための戦略資産として運用されている。
しかし、ここでわれわれは興奮を抑え、冷徹な現実を直視しなければならない。軍事戦略上の優位性が、そのまま世界商業宇宙市場での競争力に転換されるわけではない。
2026/06/01 13:32
https://japanese.joins.com/JArticle/349885