「日本の地方創生10年…子育て支援、移住支援、企業誘致がカギ」

投稿者: | 2024年6月11日

地方都市の消滅を防ぎ、人口減少の速度を遅らせるのは韓国だけの悩みではない。韓国より一足早く、10年前から「地方創生」に取り組んできた日本政府が10日、全国の地方自治体を分析した結果、交通アクセスや移住支援、子育て支援、企業誘致という4つの要素が人口減少の速度を遅らせるプラス要因だという分析結果を発表した。

 日本の総人口は2023年、前年比約60万人減の約1億2400万人だった。ただ、減少幅は鈍化した自治体も少なくない。2013年に推計した2020年の人口推計値と比べて、実績が上回った自治体は736に上った。このうち、東京など首都圏を除いた自治体は610で、推計値より5%以上増加した自治体は102に達した。

  推計値を上回った結果について分析すると、「アクセスの良さ」が51、次いで「子育て支援策」が33、「移住・就業支援」が21、「企業誘致」が18だった。

「アクセスの良さ」の代表例は、茨城県つくばみらい市だ。2005年に「つくばエクスプレス」が開通したことで、東京・秋葉原まで約40分と都心へのアクセスが向上し、子育て世帯の流入が相次いでいる。人口は2005年当時の約4万人から現在、5万3477人と急増した。

手厚い支援策で知られるのは千葉県流山市だ。保護者の出勤や帰宅時間に合わせ、駅前で子供の保育園の送迎バスを運行するなど手厚い子育て支援に取り組んでいる。今年、小学校を2校新設するほど人口が増加し、6月1日現在の人口は21万2394人と対前年同月比1761人増となった。

 自治体が移住や就業政策に力を入れることで活力を取り戻す例もある。島根県知夫村は2010年当時、人口はわずか657人だった。移住政策のために推進したのは「島留学」だった。小学校5年生から中学3年生までの子どもたちを自然豊かな環境の中で学習できるようにしたほか、20代の若者にも対象を広げた。その結果、人口は増加し、島根県は2023年、出生率が全国6位の1・46に達した。

宮城県仙台市に隣接する大衡村は企業誘致によって人口が急増した。トヨタ自動車東日本が2012年に進出して一大生産拠点となったほか、台湾の半導体メーカー「PSMC」の工場も進出した。人口は2020年の5466人から2020年に5870人に増えた。

 日本政府が地方創生に取り組み始めたのは2014年のことだった。当時の安倍晋三首相が政権の重点政策に掲げてスタートしたものだ。民間団体「人口創成会議」が全国の約50%にあたる896自治体を「消滅可能性都市」と発表したことが契機となった。このレポートは増田寛也元総務相が主導したことから通称「増田レポート」と呼ばれ、日本全国に衝撃を与えた。安倍首相は同年9月、石破茂氏を初代の地方創生担当相に起用。各地方自治体から雇用創出や移住政策などのアイディアを募集し、政府が交付金を拠出して地方の活性化を目指した。中央省庁の地方移転も進め、文化庁や消費者庁など7機関が移転した。

 しかし、日本全体の人口減少や東京への一極集中という大きな流れは変わっておらず、地方自治体間の人口の奪い合いにとどまっているとの指摘が出ている。日本政府は今回の報告書で、「地方が厳しい状況にあることを重く受け止める必要がある」として、人口減少と東京一極集中の是正を「戦略的に挑戦すべき課題」と位置付けた。

 事態打開に向けた目玉政策は、女性や若者たちに魅力的な地域作りの推進だ。大学進学や就職などを機に首都圏へ出て行き、そのまま定住するケースが多く、こうした若者や女性に再び地方に戻ってきてもらえるようにするためだ。2023年の首都圏への転入者と転出者を比較すると、約11万人も転入者が多く、大半は10代、20代の若者だ。特に女性に顕著な傾向があった。

 日本政府関係者は「これからの地方創生のキーワードは、女性や若者に魅力的な地域作りだ」と話し、女性や若者から直接要望を聞きながら、地方大学の魅力向上や、男女・地域間の賃金格差解消などに取り組む考えだ。

2024/06/11 09:13
https://japanese.joins.com/JArticle/319708

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