米中間の対立が韓国国内の自動車や鉄鋼産業に直・間接的な影響を及ぼす中、これを好機として生かそうとする国内企業の動きも加速している。
9日の自動車業界によると、ルノー釜山(プサン)工場は中国吉利自動車から委託を受けて生産している北米輸出向けの「ポールスター4クーペ」の生産を縮小し、グローバル輸出向けの「ポールスター4SUV」の生産を開始することにした。米国政府が最近、吉利傘下ブランドのポールスターを2027年から販売禁止としたことで、ポールスターの北米輸出拠点だった釜山工場の再編が不可避となったからだ。釜山工場がグローバル生産拠点に生まれ変わることで、ルノーコリアの委託生産量はさらに増える見込みだ。
米商務省は「コネクテッド車両規定」に基づき、中国・ロシアが所有・統制する自動車の米国販売を制限することができる。ボルボの子会社だったポールスターは「スウェーデン血統」を前に出して米国現地と韓国で車両を生産してきたが、中国吉利自動車が大株主という点が足かせとなった。
最近は規制の障壁がさらに高まっている。米議会で論議中の「自動車現代化法」は敵対国政府が少しでも出資している場合、米国での販売を禁止する内容を盛り込んでいる。このままでは中国国営企業BAIC(北京自動車)が約10%を保有するメルセデスベンツも販売禁止対象となる可能性がある。ここに「コネクテッド車両安全法」という別の法が米議会の上下院で同時発議されたが、この法でも敵対国が15%以上を保有する自動車を規制することにした。ベンツだけでなくボルボやロータス(英国)など中国が投資したブランドもターゲットになる。
国内自動車業界では国産車が米国市場でシェアを拡大する機会になるという反応が出ている。内需販売が停滞した現代車の場合、今年上半期の販売が過去最高となった米国市場の重要性がさらに高まっている。業界関係者は「中国車の攻勢が激しいだけ国内ブランドには中国と競争しなくてもよい唯一の市場の米国での実績がさらに重要になった」と話した。
中国との競争で苦戦している鉄鋼・非鉄金属業界も米中対立をきっかけに米国進出を急いでいる。これに先立ち日本製鉄が「USスチール」を買収して米国サプライチェーンに入ったとすれば、韓国企業は現地に工場を建てて「韓国版USAサプライチェーン」を構築する戦略だ。
現代製鉄は9月4日、米ルイジアナ州で新製鉄所の起工式を開く。年産270万トン規模の電気炉製鉄所で、2029年の商業生産が目標だ。ポスコも投資に参加した。新製鉄所で生産された鉄鋼材は米国内の現代車グループ工場にも納品される。米国内に自動車鋼板サプライチェーンを確保して関税の負担を減らし、現代車グループの生産競争力を高めようという構想だ。
高麗亜鉛も米テネシー州クラークスビルに約74億ドル(約1兆2000億円)を投資し、65万平方メートル規模の統合精練所建設を推進中だ。来年着工して2029年の商業生産が目標だ。ここでは米政府が指定した重要鉱物11種など非鉄金属13種を生産する予定だ。
国内業界によるこうした投資の動きは、米国のトランプ政権が鉄鋼・非鉄金属・重要鉱物などの核心的な戦略資源を自国に引き込もうとする中で目立っている。韓国企業としても米国市場への接近を容易にし、政策リスクを軽減できるというメリットがある。
ただ、専門家らはトランプ大統領の心変わりに注意するべきと指摘している。明知大国際通商学科のキム・テファン教授は「米国の対中圧力が韓国企業に無条件に有利になるとは考えにくい」とし「中国製品のう回輸出や間接輸出まで制裁対象となった場合、中国産の原材料や中間財を使用している韓国企業にも負担となり得る」と指摘した。また「わが国の業界における生産性の拡大と技術革新が不可欠な時期」と強調した。
2026/07/10 14:36
https://japanese.joins.com/JArticle/351831