主宰側が呼応できないアイデアをマクスウェル氏が発表することはできなかったため、関連構想はかなり話題になった。しかし米国の統合指揮計画に反映された新たな戦闘司令部を設置する構想は、合同参謀本部、国防総省、大統領、議会を経る至難な手続きを必要とする。したがってたとえ米国政府によって検討されるとしても短期的に実現するのは難しいものと見なされた。
ところが最近ガルラウスカス氏も北東アジア司令部創設を主張する文を投稿した。2人の専門家の構想は韓国と日本の互いに分離した米軍の指揮構造では中国、ロシア、そして北朝鮮が関連した北東アジアの複合危機に対して効果的に対応しにくいという問題意識を共有する。これを解決しようと韓半島(朝鮮半島)で米軍の影響力強化を指向するという共通点があるが、細部的な案が少し異なる。
マクスウェル氏は、太平洋司令部は中国を見るために直接米国戦略司令部と交流し、北朝鮮の核の脅威に効果的に対応するための新たな地域戦闘司令部が必要だと主張する。彼の構想で北東アジア司令部は太平洋司令部と同等の地位を持ち、韓米合同司令部を隷下に置く。日本は「フュージョンセル」として北東アジア司令部と太平洋司令部を連結する。そして北東アジア司令官は国連軍司令官を兼職し、韓半島停戦管理権限と国連軍司令部後方基地権限が北東アジア司令部に事実上統合される。すなわち、国連軍司令部の再活性化を後押しする案だ。
韓国の観点からガルラウスカス氏の構想はより急進的だ。北朝鮮の核脅威を中心に置くより、中国が引き起こす危機または戦時状況の下位、または連携した脅威と認識する。彼が主張する司令部は太平洋司令部隷下の準統合司令部として、在韓米軍と在日米軍を単一指揮ライン下に置く。韓半島紛争と台湾紛争が分離できないという認識の下に、韓日間の政治的摩擦を迂回しながら第1列島線にキルウェブを形成しようということだ。関連してブランソン司令官も第1列島線に沿って韓国、日本、フィリピンを結ぶキルウェブ構築が必要だと言及したことがある。
◇多層的軍事協力構造の中で韓国が望む位置探し
ここまで説明したすべての軍事的動きと構想は米国が2国間同盟中心の既存の層位の上に、多国間ネットワークの地域軍事態勢をより一層重ねていく過程を示唆する。日本の石破茂前首相の「アジア版NATO」、エリー・ラトナー元米国防次官補の「太平洋防衛条約」の構想もこれを戦略的水準に合わせる方向を提示する。このように韓米同盟の視野拡張と構造的変化は逆らうことができず必然的だ。韓国はその変化に積極的に飛び込むのか、そうでなければ変化の前に沈黙することを選ぶのだろうか。
韓国政府はまだこれに対する明確な答を準備できていない。その答は多角度の検討と果断性ある戦略的決定が要求されるが、2つとも十分に進んでいないとみられる。
参加には関与の費用が、排除には疎外の費用が伴う。そのため答を明かさないことが戦略だと考えることもできる。しかし答を示さないことを戦略にしようとするなら、少なくとも無回答が間違って解釈される素地は防がなければならない。そして無回答が蓄積された結果は後日取り戻すことが難しくなることもあることを知らなければならない。したがってそうするより、米国の軍事態勢を再編しようとする多様な構想が自由に議論されるいま、望むものを明確にして韓国の利害を反映する空間を育てなければならない時だ。もしとんでもない構想ならば、しっかりと争わなければならないだろう
チョン・ギョンジュ/峨山政策研究院研究委員
2026/08/02 10:42
https://japanese.joins.com/JArticle/352879