「代替可能」な大韓民国【コラム】

投稿者: | 2026年8月16日

 二人の実業家が「私たちはトランプのおかげで食べていける」と語った。お一人は「世界中がトランプを批判しても、韓国はそうしてはいけない」と言った。このところ韓国が誇っている産業の大部分が、実はトランプ大統領の保護下にある…ということだ。もうお一人は「トランプが米国企業による中国製半導体の使用を許可した時に起きることを考えてみろ」と言った。業界では、中国の習近平国家主席が9月に訪米する際、米国が中国製半導体の一部許容をプレゼントする可能性があるという予測が出ているという。

 韓国の株式市場を「サムジョンニクス(サムスン電子・SKハイニックス)2倍レバレッジ」がすべて台無しにしたと言われている。この商品が人間の強欲を刺激し、市場を「鉄火場(ギャンブル場)」にしたというのだ。程度の差こそあれ、2銘柄のレバレッジが存在する前から韓国の株式市場はボラティリティ(変動性)が大きかった。株は上がれば下がり、下がれば上がる。昨日暴落しても、今日暴騰することもある。重要なのは、そうしながらも結局は右肩上がりになるという事実だ。この事実を信じられないなら、株式投資をしてはいけない。心身を壊してしまう。

 鉄火場のようであっても、株式市場は産業と経済の変曲点において重要なシグナルを伝える。今伝えているシグナルは、株式市場が「中国の恐怖」を本格的に反映し始めたということだ。データセンターであれ、スマートフォンであれ、PCであれ、米国企業の半導体購入資金が投資への意志とは無関係に底をつき、その代替案として中国製半導体が浮上しているのだ。このシグナルが7月28日、韓国の株式市場をめちゃくちゃにした。日本も、台湾も同様だ。

 この現象がすぐに終わるのか、長く続くのかは誰にも分からない。相場が揺らぐと、「中国の半導体が韓国に追いつくのはまだ先のこと」という専門家の分析が相次いで出た。同意する。しかし、追いついてきているということが重要だ。世界のAI(人工知能)エコシステムにおいて、韓国の半導体がいつか「定数」ではなく「変数」になるかもしれないということを物語っている。

 変数とは、枠組みを作る調整者が状況や条件に応じて変えることができる対象を意味する。調整者は、グーグル・アマゾン・マイクロソフトのようにAI帝国を建設する企業かもしれないし、全体を調整する米国と中国かもしれない。定数だと思っていたのに変数になった瞬間に襲いかかる恐怖が、7月28日、予告編のように株式市場に押し寄せたのだ。半導体は宇宙のように神秘的だが、あくまでも完成品に入る部品だという事実を忘れてはならない。大国間に挟まれた韓国もやはり同じだ。

 職業柄、大儲けした人々に何人も会うことができた。彼らから聞いた言葉の中で、「積み上げられたお金の匂いに酔って吐いた」という言葉が感覚的に記憶に残っている。今の韓国がそうだ。未来のお金まで引き寄せて、吐くほどに酔いしれている。株式市場に続き、労働市場、不動産市場、そして東灘から全南・光州に至るまで、歴史に残るお金の宴が繰り広げられている。

 KOSPI(韓国総合株価指数)が垂直上昇していた今年5月、青瓦台(大統領府)の金容範(キム・ヨンボム)政策室長がソーシャルメディアに寄稿した。彼は「韓国が享受する超過利益は一時的な好況にとどまらず、構造的に長期間持続する」とし、「莫大な超過利益を社会が共有して当然だ」と述べた。こうした壮大さが、3大メガプロジェクトへの4755兆ウォン(現在のレートで約536兆円。以下同じ)の投資発表につながった。一定の単位を超えれば、どのみち計算は難しい。かつての文在寅(ムン・ジェイン)政権の「韓国版ニューディール」の規模は220兆ウォン(約25兆円)だった。しかし、50兆ウォン(約5兆6000億円)すら投資できなかった。現政権は違うだろうか。歴史的な「キムチ汁(取らぬ狸の皮算用)」になるだろう。

 私たちが歴史的な転換点に生きていることは事実だ。韓国企業が主人公であることも確かだ。しかし、稼ぎ出すお金が「構造的超過利益」であるという根拠はない。AIへの大規模投資が続けば韓国の半導体の天文学的な利益につながる、というのは幼児的な希望だ。SKの崔泰源(チェ・テウォン)会長は「価格がさらに上がれば、地政学的に叩かれることは避けられない」と語った。これが現実だ。この現実が株式市場に反映されているのだ。

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は「代替不可能な大韓民国」を叫んでいる。素晴らしいスローガンだと思う。しかし、半導体、自動車、造船、原子力、防衛産業、二次電池など、韓国を支える産業はどれも世界的ではあるが、「代替不可能」ではない。米中対立の時代に運良く便乗し、「代替不可能」のように見えているだけだ。世界を支配したかのようなKカルチャーも、規制によって革新を阻めば、いつでもJカルチャー、Cカルチャーに取って代わられる可能性がある。「代替不可能な大韓民国」は国政目標になり得るが、現実ではない。

 韓国を「代替不可能」にするためには、中国が企業や技術、人材を優遇する方法、中国が稼いだ利益を再投資に配分する方法を移植しなければならない。米国のありがたみを認識し、さらに深く入り込んで自由陣営の空間を確保しなければならない。そうしてこそ、中国の荒波を乗り越え、一つか二つの産業が辛うじて生き残ることができる。

 大儲けしたと国中がどんちゃん騒ぎをして、何が代替不可能か。7月28日に鳴り響いた株式市場の警告音に耳を傾けなければならない。韓国は代替可能な国だ。

2026/08/16 07:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2026/08/14/2026081480127.html

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