【ミリタリーブリーフィング】「宇宙で撃って破壊する」…中ロとの「スターウォーズ」を準備する米国(1)

投稿者: | 2026年8月18日

中国とロシアが米国が優位だった宇宙領域で急速にその差を縮め、宇宙の兵器化も加速している。米宇宙軍は特に、宇宙領域における中国の挑戦に対応するため、対衛星兵器の開発を国家安全保障上の最優先課題とすることを決めた。中国の衛星戦力は2013年には100基未満だったが、現在では約1900基に急増している。米国の宇宙兵器開発宣言は中国やロシアはもちろん、フランス、英国、ドイツ、そして日本などにも影響を及ぼすとみられる。

(1)米国、対衛星兵器の開発を最優先課題に

 米軍事メディア「ザ・ウォー・ゾーン」は、米国が対衛星兵器開発を国家安全保障上の最優先課題として正式に位置付けたと報じた。米宇宙軍のスティーブン・ウェイティング大将は8月10日(以下、現地時間)に開かれた宇宙・ミサイル防衛(SMD)シンポジウムで、2029~2033会計年度の統合優先順位のうち1位、2位の課題として「統合宇宙火力(integrated space fires)」と「多数の低軌道衛星への対処(counter-pLEO)」を挙げた。特にウェイティング司令官は宇宙においても地上・海上・航空戦力と同様に「撃って、動いて、通信するべき」と強調した。

今回の発表が注目される理由は、米国がこれまで防御と回復力を中心に進めてきた宇宙戦略から一歩踏み込んで「攻撃能力」を公然と強調したからだ。ウェイティング司令官は、宇宙戦で確実な抑止力を確保するためには、敵の宇宙資産を損傷または破壊できる信頼性の高い能力が必要だと述べた。そのためには運動エネルギー方式の対衛星兵器だけでなく、電子戦、サイバー戦、指向性エネルギーなど非破壊・非運動型の効果を組み合わせた統合宇宙火力が必要だと説明した。

こうした戦略転換の背景には、中国とロシアによる急速な宇宙兵器化がある。特に中国は、米空母や艦隊を随時追跡する500基以上の偵察衛星網を構築しただけでなく、ロボットアームで他国の衛星を捕捉して軌道から離脱させるSJ-21衛星、地上発射型の対衛星(ASAT)ミサイル、レーザー攻撃装置などを実戦配備し、宇宙覇権を脅かしてきた。米軍当局としては、防御中心の戦略だけでは軌道上の資産を守ることができず、敵の攻撃に対して同等以上の物理的・非物理的な打撃を加えられる「信頼できる抑止力」が不可欠との結論に至った。

米国の新たなアプローチは「衛星1基の撃墜」よりも「宇宙ネットワーク全体の機能まひ」を防ぐことに重点を置いている。数百~数千基の衛星で構成される分散型の低軌道衛星網を構築すれば、一部の衛星が攻撃を受けてもシステム全体の生存性を高めることができる。しかし米国は敵もサイバー攻撃や指向性エネルギー兵器を利用し、複数の衛星に同時に影響を与える「一対多(one-to-many)」攻撃を試みるとみている。

米国が推進する対衛星戦力は単純な「宇宙ミサイル」開発を意味するものではない。宇宙における監視・通信・航法・ミサイル警戒システムを防護すると同時に、敵の宇宙戦力を無力化できるセンサー、電子戦、サイバー、レーザー、迎撃システムを一つの作戦ネットワークに統合することを意味する。これは、宇宙がもはや地上軍や空軍の作戦を支援する後方領域ではなく、戦争の勝敗を左右するために直接戦わなければならない核心戦場へと変化していることを示している。

(2)米戦略軍司令官、「もはや局地紛争は存在しない」と指摘

米国の軍事メディア「ブレーキング・ディフェンス」によると、米戦略軍(STRATCOM)のリチャード・コレル海軍大将は8月11日の米国防情報局(DIA)の会議で「もはや地域紛争は存在しない」「すべての紛争は情報領域において世界的なものだ」と述べた。

戦略軍司令官が発した警告は、現代戦のパラダイムがどこへ向かっているのかを明確に示している。ミサイルが飛び交い、軍隊が衝突する物理的な国境は依然として存在する。しかし戦争の影響とその作動メカニズムは、サイバー空間、ソーシャルメディア、人工知能(AI)、宇宙、電磁波スペクトラムを通じて瞬時に地球全体に広がる。いまや物理的な領土を支配するのと同じくらい、「情報を管理して守る」ことが戦争の勝敗と国家安全保障を左右する時代が到来した。

コレル提督はイラン戦争には言及しなかったが、現在も続いているウクライナ戦争を代表的な例に挙げた。表面的には戦車や塹壕、砲撃戦が繰り広げられる20世紀型の地上戦のように見える。しかし水面下では、電磁波遮断、ドローン制御、衛星通信妨害、そして迅速なナラティブ(Narrative)主導権争いという、高度な情報戦がリアルタイムで繰り広げられている。特定の地域で地上戦が始まった瞬間、ハッキングやサイバー攻撃は国境を越え、相手国の主要インフラや友好国の世論を揺さぶる。物理的な砲声は一つの地域にとどまるかもしれないが、政治的・サイバー的な波及力は世界を同時多発的に攻撃する。

特に今回の警告で最も注目すべき点は、先端人工知能(Frontier AI)技術がもたらす「意思決定時間の圧縮」と「情報攪乱」だ。敵対国はAIを活用し、大規模なフェイクニュースや影響力工作をしている。これは単に大衆の認識を汚染するだけにとどまらず、最高軍事指揮官や政治指導者の意思決定システムを混乱させる。敵は歪曲されたデータを流布することで指揮部の状況判断を遅らせたり、誤った判断に誘導したりする。その結果、誤判断による戦争拡大(Escalation)のリスクを劇的に高める。コレル司令官は「AIが将来の戦争に登場するかどうかは、もはや問うべき問題ではない。AIはすでに戦場に深く関与している」と述べた。

結局、現代戦における「抑止力(Deterrence)」の定義も根本的に変化している。かつての抑止力は前線に配備された圧倒的な火力や物理的な統合戦力から生じた。しかし将来の抑止力は、宇宙・サイバー・電磁波スペクトラムが複雑に結びついた環境において自国のデータの信頼性を守り、敵による情報攪乱の中でも迅速かつ正確な判断を下すことができる「情報復元力」から生まれる。

2026/08/18 13:34
https://japanese.joins.com/JArticle/353700

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