反ダンピング関税をあざ笑う中国鉄鋼…「保税工場」が迂回路に

投稿者: | 2026年9月11日

中国産鉄鋼の無差別な低価格攻勢に対し、韓国政府が反ダンピング関税で障壁を設けたものの、輸入原材料の関税を猶予する「保税工場」制度が死角として利用されているとの指摘が出ている。韓国貿易救済学会と法務法人太平洋は10日、「変化する通商環境と保税工場制度」をテーマにセミナーを開き、中国など外国産鉄鋼の関税迂回ルートを遮断するための制度改善策を議論した。

保税工場は輸出活性化のため、海外の原料を輸入して加工した後に再輸出する場合、関税を免除する制度だ。造船会社が中国産厚板を輸入して船舶を建造し、輸出するケースなどが代表的だ。

 しかし業界では、関税回避を目的に保税工場の許可を受けるケースも少なくないとの主張が出ている。韓国政府は昨年9月から中国・日本産熱延鋼板に反ダンピング暫定関税を課したが、規制が施行されると、熱延鋼板を使用する再圧延業者の保税搬入量が急増した。

鉄鋼業界によると、昨年4-6月期まで熱延鋼板は100%一般輸入だったが、7-9月期から保税工場への搬入量が増え始め、今年1-3月期には94%が保税搬入されたと推定される。鉄鋼業界関係者は「反ダンピング規制が始まってから、突然、保税工場の特別許可を受けようとする業者が増えた。反ダンピング規制を受ける物量の相当部分が関税を払わずに保税工場に入るようになった」と話した。

海外の原材料が保税工場でわずかな加工を経て関税対象外の製品に姿を変え、韓国内で流通するケースも少なくない。例えば保税工場が、反ダンピング関税の対象となる中国・日本産熱延鋼板を搬入し、規制対象ではないめっき鋼板に加工して韓国内で流通させれば、関税を回避できる。

この日のセミナーで専門家らは、構造的危機に直面している韓国鉄鋼産業を保護するため、積極的な制度改善が必要だとの認識で一致した。保税工場で作った製品が韓国内に入る場合には、当初輸入した原料に課税する「原料課税」を法制化し、保税工場の特別特許も厳格化すべきだという。法務法人太平洋のチュ・ソンジュン弁護士は「米国、欧州連合(EU)、日本などとは異なり、韓国には保税工場に対する明示的な審査基準がない。『貿易救済回避の意図』などの基準を設け、特許審査を強化すべきだ」と話した。

世界各国が中国の過剰供給に対抗して保護貿易措置を強化している中、韓国も保税工場への優遇措置を縮小すべきだとの主張も出た。保税工場が海外への輸出を目的に中国産原材料を輸入する場合でも、反ダンピング規制の対象にすべきだという。明知(ミョンジ)大学のキム・テファン教授は「保税工場には輸出を促進し、企業利益を増大させる効果があるが、だからといって公正な商取引を守らなくてもよいという免罪符にはならない」とし、「反ダンピング関税は不公正に対する制裁であるため、企業利益だけのために免除することはできない」と話した。

高麗(コリョ)大学法学専門大学院のチョ・スジョン教授は「中国の輸出攻勢に対応し、より積極的な貿易救済を行うべきだ」とし、「特に中国産原材料にわずかな加工を施して米国などに輸出するケースを防げなければ、われわれが『中国産の迂回基地』という汚名を着せられることになる」と指摘した。

一方、反ダンピング規制を強化すれば鉄鋼業界は保護されるが、中国産原料を使用してきた造船業などは原材料コストが増え、被害を受ける可能性があるというジレンマもある。専門家らは鉄鋼と造船が共生できる対策を設けるべきだと提案した。韓国租税財政研究院のチョン・ジェホ副院長は「輸出奨励のために保税工場の関税を免除してから40年が過ぎた。自由貿易から保護貿易へと通商環境が変わっている中、この制度をいつまで維持すべきか考える時期に来ている」と話した。

2026/09/11 13:39
https://japanese.joins.com/JArticle/354936

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