名古屋のテニス場が「小さなフィリピン」に…アレクサンドラ・イアラの登場に観客が熱狂

投稿者: | 2026年10月1日

 9月30日、名古屋の東山公園テニスセンター。平日の午後にもかかわらず、およそ3500人収容のセンターコートは熱気に包まれていた。その多くが、ある選手を応援するために訪れた人たちだった。フィリピンで「テニスの妖精」と呼ばれる、アレクサンドラ・イアラ(21)だ。

 28日に2026年愛知・名古屋アジア大会の初戦に臨んだイアラは、この日初めてファンの前に姿を見せた。ここ二日間降り続いた雨のため、観客が入場できない屋内コートに試合会場が変更されたからだ。台湾のジョアンナ・ガーランドを2-0で下し、準決勝に進んだイアラが、テニスボールを観客席に打ち込んでプレゼントすると、スタンドは再び盛り上がった。

 アジア大会のテニス会場となっている名古屋の閑静な住宅街・東山は、小さなフィリピンに様変わりした。地下鉄駅やバス停は、国旗を振りながら歩くフィリピンの人たちでにぎわっている。ロシオさん(22)は「イアラはマニー・パッキャオに続く、フィリピンの誇り」とした上で「運よくチケットが手に入ったので、授業をさぼってマニラから飛行機で来た」と話した。

 イアラの初戦である女子シングルス16強戦が行われる予定だったセンターコートのチケットは、28日に3501席が完売した。今大会ではなかなか見られない光景だ。愛知県は、日本でフィリピン人が最も多く暮らしている地域として知られている。会場の変更により、チケットを購入したのにもかかわらず試合を見られなかったファンたちは大雨の中、長時間イアラを待ち、「レッツゴー、アレックス」と叫んで応援した。イアラも笑顔で近づき、サインに応じたり、一緒に写真を撮ったりした。

 イアラがフィリピンの「国民的英雄」に浮上したのは、17歳だった2022年、全米オープン・ジュニア女子シングルスで優勝してからだ。当時、イアラは涙を流しながら母国語のタガログ語で「わたし自身だけのためではなく、フィリピンとフィリピンのテニスの未来のための勝利」と語り、多くの国民から応援を受けた。その後、イアラが行く先々にフィリピンの人たちが駆け付け、熱い声援を送っている。

 イアラもファンに対し、たびたび感謝の気持ちを示している。今回も、WTA(女子テニス協会)ツアーを欠場することによる懲戒の可能性まで覚悟して、アジア大会への出場を選択した。イアラは30日の試合後、「祖国を代表してプレーすることは、わたしにとって非常に大切で大きな夢だ」と語った。

2026/10/01 11:16
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