韓国貿易協会が集計した今年9月までの韓国の輸出額は8147億2352万ドル。歴代の同月最高実績を毎月塗り替えてきた結果だ。11月20日前後に年間輸出1兆ドルを達成する見通しだ。米国、中国、ドイツに次いで4番目となる。玄関口として内陸国の輸送商品の再輸出の比重が大きいオランダと香港を除けば、日本を抜いて世界の輸出トップ4に入る。
ただし、輸出・投資環境の不確実性はますます高まっている。特に最近では、韓国にとって第2位の輸出市場(9月基準で1518億ドル)であり、安全保障・経済・先端技術を結びつけた包括的戦略同盟関係にある米国を表す際、キーワードとして「リスク」「紛争」「対応」といった言葉が欠かせないものとなっている。第1位の輸出市場(9月基準で1715億ドル)の中国を説明する際にも、よく使われていた表現だ。最近発表された報告書などを見ると、「相互貿易協定を通じた米国の対中国牽制の強化と企業の対応」(韓国貿易協会)、「対米投資に関する投資家・国家間紛争事例の研究」(対外経済政策研究院)、 「輸出企業のための米国通商リスク対応説明会」(大韓商工会議所)、「米国関税政策の判断対象の拡大と国内法制度の通商リスク」(国会立法調査処)など、数十年にわたり続いてきた多国間通商規範を自国の利益に従属させる姿勢に対し、企業や市場が感じる不安と恐怖が如実に表れている。
こうした雰囲気は、19日に大韓商事仲裁院・大韓商工会議所・韓国国際経済法学会の主催で開かれた「対米投資リスク対応」セミナーでも確認された。通商専門家や輸出・投資企業の関係者らが出席したセミナーのキーワードは、「米国市場の危険性」、「韓国企業の権利保護」、「紛争への対応」だった。
大韓商事仲裁院のシン・ヒョンユン院長は、「関税とサプライチェーンなどを中心とした米国の通商・産業政策の変化は、韓国企業に新たな不確実性と課題をもたらしている」と分析した。発表者たちは、急変する関税に対応する契約書の作成方法といった実務レベルから、貿易法第301条・貿易拡大法第232条などをテコにした通商政策の変化といった制度上の問題まで、幅広く取り上げた。チョン・ギチャン国際弁護士(法務法人クァンジャン)は、「米国が世界貿易機関(WTO)協定を公然と違反しているが、結局のところ、韓国の主力輸出品である半導体や造船などを購入する能力を持つ国は米国だ」とし、対応の難しさを指摘した。キム・セジン国際弁護士(法務法人セジョン)は、「米国が中国をサプライチェーンから排除する『ゼロチャイナ』契約を要求しているが、現実的にこれに応じるのは難しく、これは契約上の紛争につながる可能性がある。韓国企業が『ゼロチャイナ・リスク』に直面する恐れがある」と分析した。
セミナーに参加したスタートアップ関係者は、「まるで家族のような関係だった米国とカナダの間に亀裂が見られる中、果たして我々が米国に進出してよいのか」と不安を打ち明けた。会場からは、「トランプ政権以降、通商政策に変化の可能性はあるか」という期待を込めた質問も出た。チャン・ジョンジュ弁護士(法務法人ファウ)は、「再び米国の貿易赤字規模が拡大しており、関税を通じた対米投資への圧力が長期的に効果をもたらすかは疑問だ。ただし、バイデン政権時代と同様に、トランプ政権後も大きな変化はないだろう。企業としては、短期間で関税問題を解決するのは難しいという点を考慮すべきだ」と助言した。ハン・チャンワン弁護士(法務法人太平洋)は「米国の関税がどうなるかは予測できない。契約書に関税負担の上限を設定したり、再交渉条項、協議が不調に終わった場合の終了条項などを盛り込むべきだ」と助言した。
一方、20日に開かれた国会財政経済企画委員会の国政監査でも、韓米戦略投資公社を相手に、韓米関税交渉の結果である2000億ドルの対米投資および1500億ドルの造船協力投資の元本回収の不確実性について、与野党から質疑が相次いだ。与党「共に民主党」のチョン・ソンホ議員は、「トランプ大統領の特異な関税政策でなければ、このような投資は実際にはあり得ない。リスク管理ができなければ、3500億ドルが吹き飛んでしまう」と指摘した。
2026/10/20 19:26
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/57452.html