中国の天然ガス生産海洋プラットフォームで火柱が立ち上がる。「第7鉱区」と呼ばれる済州島(チェジュド)南側の韓日大陸棚共同開発区域(JDZ)からわずか数百メートル離れた所からだ。韓日両国が1978年6月22日の共同開発協定発効から46年にわたり手を付けずにいる間に中国はこのように周辺海域で石油・天然ガスをスポンジのように吸い込んでいる。
第7鉱区は時限爆弾だ。来年6月22日からは韓日のうちどちらであれ共同開発終了を事前に宣言できる。そうなると協定期限の50年が到来する2028年6月22日から「無協定」の混沌状態に陥る。今後1年以内に両国が解決策を見いださなければならないという話だ。
最近両国の専門家の間では「来年の韓日国交正常化60周年を活用して新協定を締結しよう」という案が浮上している。1998年に韓日が過去史和解と未来志向的メッセージを盛り込んだ「21世紀の新しい韓日パートナーシップ共同宣言」(金大中・小渕宣言)を発表し、新韓日漁業協定まで締結したように、「第2の共同宣言」と新協定を一括合意しようというものだ。このためには実務当局間の事前の水面下での作業だけでなく、両国首脳の政治的決断が必要という声が出ている。
◇第7鉱区狙った中国の介入が変数
まだ進む道は長い。韓国では日本が一方的に協定を破棄するだろうという不安感が広がっている。協定締結後に国際法環境が変わり、日本が「自国の管轄」と主張する余地が大きくなった。現在は複数国の排他的経済水域(EEZ)が重なる海域では各国の海岸線から等距離の原則で中間線が引かれるのが一般的だが、日本の主張の通りならば第7鉱区の場合、最大90%まで日本側が占める公算が大きい。
だが協定終了時の中国の介入が変数だ。第7鉱区は韓日だけでなく中国のEEZも含んでいるためだ。実際に中国は「JDZ協定は中国の権利を侵害するもの」としながら虎視耽々と第7鉱区を狙っている。
すでに日本は脅威を体感している。中国は日本の反発にも東シナ海で積極的にエネルギー資源開発に乗り出している。日本外務省によると、第7鉱区周辺で確認された天然ガスプラットフォームだけで18カ所だ。2006年の「春暁」をはじめすでに商業生産に入ったガス田も複数ある。東シナ海産のガスは世界最大のエネルギー消費国である中国が内外で開発し生産する天然ガス総量の4%(2022年、1日生産量基準)を占めている。
エネルギー資源だけではない。中国の空母船団は第7鉱区周辺海域を通過して太平洋に進出する。事実上庭のように使っているという意味だ。こうした状況は韓日だけでなく両国の唯一の同盟である米国も危機感を募らせている。中国がこの海域を内海化すれば「航行の自由」作戦など米国のインド太平洋戦略を脅かす最も大きな潜在要素になりかねないためだ。海上輸送路の安全確保にも困難が生じる恐れがある。
◇「両国が合意可能なのは『新協定』だけ」
協定破棄がもたらす世論悪化など政治的影響も無視することはできない。「領土問題のように揮発性が強い事案」「第2のLINEヤフー問題」などの懸念が早くからあふれている。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権になって劇的に改善された韓日関係が再び破局に突き進むかもしれないという意味だ。
2024/06/24 07:33
https://japanese.joins.com/JArticle/320240