自衛隊の秘密部隊の活動を描いた日本のドラマ『VIVANT』第2シーズンが大人気を集め、日本と中国で対照的な反応が出ている。日本では、地震などの災害救助の任務に投入されてきた自衛隊に、ハリウッド映画でしか見ないような特殊工作員が存在するという設定に熱狂する一方、敵対勢力として描かれた中国では反発が相次ぎ、外交問題に発展する兆しまで見えている。
このドラマは、防衛大臣もその存在を知らない自衛隊の情報組織「別班」が敵国と対決する物語を描いている。2013年に共同通信が、陸上自衛隊に海外秘密情報部隊「別班」が存在すると報じて以降、抱かれてきた疑問をモチーフにした作品だ。
日本政府は当時から現在に至るまで、別班の存在を一貫して否定してきた。第1シーズンが放送された2023年、防衛大臣経験者の石破茂元首相は番組で「(別班が)あるともないとも言えません。直接見たことがありませんから」と、冗談交じりに否定した。第2シーズンが人気を集めた今年7月、小泉進次郎防衛大臣は「これまで存在しておらず、また現在も存在していません。ドラマは好きですが」と述べた。国益のために海外で戦闘、暗殺、拉致まで行うような組織はないという趣旨だ。しかし日本のファンの間では、実際にそうした組織が存在するのかをめぐって、白熱した討論が繰り広げられている。
架空の敵国を設定した第1シーズンとは異なり、第2シーズンには中国系の情報組織が登場し、物議をかもしている。最近の放送分では、中国の情報組織「シンシー」が別班員を拷問し、腹を刺すシーンまで登場した。中国中央テレビ(CCTV)は25日、「中国を悪魔化し、敵対心をあおる認知戦だ」として、「過去に日本軍が中国人の抗日活動家に用いた拷問と似ている」と批判した。こうしたシーンを現代の中国人に重ね合わせ、日本の情報員を正義の反撃者として描くことで、加害者と被害者の歴史的位置を逆転させたと主張している。
中国はまた、このドラマが日本の海外情報・軍事活動を巧みに正当化し、大衆文化を通じて自衛隊の役割の範囲をあいまいにしていると批判した。この問題は25日、中国のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「微博(ウェイボー)」で一時、検索ワード1位に上った。
なお、実際の自衛隊に存在する情報部隊は陸上自衛隊の「現地情報隊」で、ドラマとは異なりお粗末な組織だったという報道が最近出た。元現地情報隊員を取材した毎日新聞は、隊員らの活動が、特定国の専門家である日本人教授に会って名刺を受け取り、教授の個人情報や好みに関する情報を項目別に書き込む程度だったと報じた。元情報隊員は毎日新聞に「やっていることはスパイのまねごとだった」と打ち明けた。
2026/10/27 12:00
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2026/10/27/2026102780074.html