韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が昨年4月の米ハーバード大での演説で「韓国は決心さえすれば1年以内に核武装が可能な技術基盤がある」と述べたのは虚勢でない。国内専門家の大半が「ひとまず決心すれば技術的に核兵器を作ることは複雑でない」という点に共感する。国際不拡散体制で公然と韓国と日本を「その気になればいつでも核武装ができる国」に分類するのもそのためだ。
徐鈞烈(ソ・ギュンリョル)ソウル大エネルギーシステム工学部名誉教授は「米国の核プロジェクトの『マンハッタンプロジェクト』のように集中的に開発すれば、150人程度の精鋭要員が8週間ほどでプルトニウム基盤の試作品も作ることができるだろう」と述べた。
このように技術力と経済力で北朝鮮を圧倒する韓国が本格的に核武装を決心すれば、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長には体制競争の難易度自体が変わる。それ自体で北核抑止効果は強まる可能性がある。いくら丈夫な核の傘であっても、いつでも押すことができる核ボタンの威力には対応できないからだ。
しかし問題は能力よりもさまざまな直接・間接的な費用にある。
◆天文学的な核兵器維持費用
まず、核維持費用を考慮する必要がある。米国の場合、毎年天文学的な予算を投入している。米議会予算処(CBO)が昨年推計した2023-32年の米国の核戦力維持費用は7560億ドル(約121兆円)。年間756億ドル(105兆840億ウォン)で、韓国の年間国防費(約57兆ウォン)の倍に近い。
米中間の戦略競争、ウクライナ戦争など情勢の変化は費用を急増させる要因だ。米国の核戦力維持費用は2014年の国防予算の3.6%から2031年には約8.5%に急増すると予想される。
もちろん韓国の核武装費用を「核大国」米国と単純比較することはできない。ただ、核戦力保有および維持に必要な基本的要素は大きく変わらないとみられる。CBOは「米国の核戦争力は原子力潜水艦(SSBN)、地上発射大陸間弾道ミサイル(ICBM)、長距離爆撃機、爆弾を搭載した短距離戦術航空機、こうした運搬システムが搭載する核弾頭で構成される」と紹介した。
2024/06/27 10:43
https://japanese.joins.com/JArticle/320429