「コンテンツの会社、プラットフォームの会社として100年以上続く企業を作る」
27日(現地時間)、ニューヨーク証券市場に初上場した「ウェブトゥーン・エンターテインメント」(以下、ウェブトゥーン)のキム・ジュング最高経営者(CEO)は、上場後の目標についてこのように語った。2004年、ネイバーに平社員として入社したキム・ジュング代表が、ウェブトゥーン・クリエイターたちと共に締め切りと格闘しながらウェブトゥーン・サービスを育て、20年ぶりに成し遂げた成果だった。ネイバーウェブトゥーンの親会社でありネイバーの系列会社の中では初めて米国証券市場に上場されたウェブトゥーン(銘柄コード「WBTN」)はこの日新規株式公開(IPO)価格の21ドルより9.5%高い23ドルの終値を記録した。
2005年ポータルネイバーの下位サービスで始めたネイバーウェブトゥーンは新人作家の登竜門である「挑戦漫画」と自社企画連載物の人気などをもとに事業を拡張してきた。海外市場を攻略するため、2014年にはウェブトゥーンの英語サービスを始めた。2016年、ウェブトゥーンビジネスを総括するウェブトゥーン・エンターテインメントを米国に先に設立し、2017年、韓国法人のネイバーウェブトゥーンを設立した。ウェブトゥーン(北米)、LINEウェブトゥーン(東南アジア)、ネイバーウェブトゥーン・シリーズ(韓国)、LINEマンガ(日本)、Wattpad(北米)などのプラットフォームを通じて150カ国余りでサービスを展開している。月間アクティブユーザー(MAU:ある特定の1か月間(30日間)にアプリやウェブサイトを利用したユーザーの数)は1億7000万人にのぼる。
キム・ジュング代表は2020年、「アジアディズニー」を目標に掲げた。キム代表はナスダック上場後に開かれたオンライン記者懇談会で、「初めて立てた計画が36年であり、現在半分以上来たと思う」とし、「現在様々な知識財産(IP)を確保できる創作プールが作られ、(この成果が)日本と米国で証明されている」と述べた。さらに「アジアのディズニーとは立派な作品を配給できる基盤施設と知識財産を共に備えた会社という意味」だとし、「コンテンツプレーヤーとしてディズニーのようにロングランできる会社を作りたい」と付け加えた。現在、ネイバーウェブトゥーンと契約を結んでいるコンテンツは5510万個、グローバルクリエイターは2400万人に達する。
ただし、昨年までネイバーウェブトゥーンは赤字から抜け出せず、収益構造の改善が課題として残る。ネイバーウェブトゥーンは昨年だけで1億4480万ドル(約2300億円)の純損失を出した。ウェブトゥーン・エンターテインメントは証券申告書で「当社は純損失履歴があり、今後の費用増加が予想され、収益性の達成や維持ができない可能性もある」とし、「コンテンツ関連費用を統制できなければ、発生する費用が収益の増加分を上回る恐れがある」と明らかにした。
一方、この日の授賞式と共に、ニューヨークのタイムズスクエア広場では、クリエイターのチョ・ソクさん(ココロの声)、キム・ギュサムさん(名門私立ジャングル高校、安いです千里馬マート)、ソン・ジェホさん(ノブレス、入学傭兵)が現地のファンたちに会った。チョ・ソクさんは「最初から(ネイバーウェブトゥーンと)共に歩いてきたため、ネイバーウェブトゥーンが成功した時、シチュエーションコメディを撮っているような感じだった」とし、「自分が成し遂げたわけではないが、『頑張ったら、ネイバーウェブトゥーンとこのように良い席にも来れるんだな』と思うと、胸がいっぱいで不思議な気がする」と語った。
キム・ギュサムさんは「能力のあるクリエイターたちも収入を得るのが難しくてやめる場合が多かったが、今は多くの収益を上げて市場が良くなったことで、能力のある作家たちが引き続き入ってきて、職業に対する認識が大きく変わったことを感じる」と語った。ソン・ジェホさんは「韓国のウェブトゥーンだからといってすべて世界で人気があるわけではないが、まず韓国の読者を満足させようという考えで始めれば、海外に出た時も通用するという信念を持っている」と話した。
2024/06/28 23:52
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/50463.html