円為替差益狙った投資額1兆3000億円…「底からさらに下がる恐れも」

投稿者: | 2024年7月1日

円相場が38年ぶりの安値水準まで落ち込み、円上昇を狙った投資家もパニックになった。為替差益を狙った投資は控えるべきというのが専門家らの指摘だ。一方、円安が深刻になりながら日本の輸出品と競争する韓国の輸出業界の緊張感も大きくなっている。

韓国大手都市銀行5行の円建て預金残高は、先月27日基準1兆2924億円で、昨年末の1兆1330億円と比較して1594億円増えた。日本の証券市場への投資額も新記録を更新中だ。韓国預託決済院によると、5月の日本証券保管金額は41億2340万6676ドルで、預託決済院が関連統計を集計し始めた2011年以降で最も多かった。

 これは為替差益を狙った投資需要増加のためだ。いま円と円建て資産を買っておけば、今後円が過去の水準に正常化した際に為替差益を狙えるという判断からだ。

問題は底だと思われた円相場が最近さらに下落している点だ。韓国銀行によると、100円当たりウォン相場は1月2日の919.69ウォンから先月28日には855.6ウォンと 6.9%上昇した。今年初めにウォンを円に替えていたら7%近い損失を出したことになる。専門家らは、最近対ドルの円下落幅は多少過度だが通貨価値は複雑なマクロ経済変数で決定されるため安値買い戦略を取っているとひどい目に遭うことがあると話す。漢城(ハンソン)大学経済学科のキム・サンボン教授は「円がいつどれだけ再上昇するのか予測しづらく、投資観点でアプローチすると大きな損害を受けかねない」とした。

一方、円安深化は韓国の輸出に悪影響を及ぼしたりもする。韓国経済研究院は対ドルでウォン相場が1ポイント下がれば韓国の輸出価格は0.41ポイント、輸出量は0.2ポイント落ちると試算した。市場で日本商品の価格が低くなり韓国商品の価格競争力が落ちるとみるためだ。

産業ごとに影響には違いがある。韓国貿易協会が集計した韓日輸出競合度を見ると、2022年に全産業競合度は0.458だったが、石油製品の場合0.827に達した。自動車・部品の輸出競合度が0.658と後に続き、船舶が0.653、機械類が0.576の順となった。輸出競合度は1に近いほど輸出市場で競合する品目の割合が大きいという意味だ。

輸入市場の場合、円安を背にした鉄鋼製品が怒涛のように流れ込み韓国の鉄鋼業界を脅かしている。中国は価格を、日本は品質を掲げるのが既存の構図だったが、円安により日本まで価格競争力が高まるからだ。

2024/07/01 07:34
https://japanese.joins.com/JArticle/320510

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