「電気さらに必要」…旧式扱いだった電線の全盛時代復活=韓国

投稿者: | 2024年7月3日

半導体工場やデータセンターなど先端産業関連投資が急増し、電力を供給する送配電網のような電力インフラ事業もスーパーサイクル(超好況期)に進入した。電線などを作る送配電事業は一時「旧式製造業」の扱いを受け先進国の主要企業が工場を閉鎖し事業を中断していた。しかしいまは「電線の全盛時代が復活した」という評価が出ている。

◇電線の全盛時代

 実際に米国を中心に人工知能(AI)駆動に向けたデータセンターなど向けに電力需要が急増し電線需要も増加している。LS電線は2日、米送電網運営会社のLSパワーグリッドカリフォルニアと1000億ウォン規模の海底ケーブル供給契約を締結したと明らかにした。LSパワーグリッドは米国のエネルギーインフラ企業で、韓国のLSグループとは関係がない。

カリフォルニア州は2035年までに約61億ドルを投資して26個の新規送電網と85ギガワット以上の再生可能エネルギーを構築する計画だ。エネルギー業界関係者は「最近大規模電力供給を困難にする古い送配電網がネットゼロ(炭素中立)目標達成の障害と指摘され関連投資が続く雰囲気」と話した。このため人口が少ない地域で再生可能エネルギーや原子力発電などで電力を生産した後、都市部に送るのに必要な高性能海底ケーブルが脚光を浴びている。海底ケーブルは地中ケーブルに比べ高い安定性だけでなく騒音と電磁波問題などから比較的自由だという長所がある。

シリコンバレーに本社を置くグーグルやアマゾンなどのビッグテックが設立したデータセンターの消費電力が増えており、既存の電線だけでは対応が難しくなった。AIデータセンターに必要な電力需要は2026年までに現在の2倍以上に増えると見込まれる。最近メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は「今後AIの成長は電力が左右するだろう」と話した。莫大な量の電力を適時に供給する高性能電線が重要になる背景だ。

◇海底ケーブル市場をつかめ

より多くの電力が必要な時代に足並みをそろえて電線も生まれ変わった。既存の老朽電線と違い大容量の電流を送ることができる超高圧直流送電(HVDC)ケーブルのような高性能・高付加価値電線製品が登場し、関連技術開発競争も激しくなる様相だ。韓国を代表する電線メーカーに挙げられるLS電線と大韓電線は、海底ケーブルの技術流出疑惑をめぐり先月法廷攻防を行ったりもした。大韓電線は最近LS電線に続き海底ケーブル市場に進出した。

現在世界的に超高圧海底ケーブルを生産できる企業はLS電線など6社にすぎない。LS電線は世界の海底ケーブル市場でビッグスリーに挙げられるイタリアのプリズミアン、フランスのネクサンス、デンマークのNKTに続き日本の住友電工と4位をめぐり争っている。これら5社は市場の85%以上を占めている。

地中ケーブルを含めても超高圧電線を作れるのは大韓電線を含む10社ほどだ。これに対し関連市場規模は2033年までに約29兆ウォンと昨年の2倍近くに成長すると予想される。再生可能エネルギー、AI、電気自動車の拡大にともなう電力需要拡大と老朽ケーブル交換需要が重なり電線市場が爆発的に成長しているためだ。

◇需要>供給、しばらく続く

電線の疾走は当分続くものとみられる。送電用電線の寿命は通常、最大で50年に達するが、電力需要が爆発的に増え老朽電線の交換需要が増加している。韓国の場合も産業化初期に埋設した電線の交換年限が近づいている。

何より主要電線企業が突然の高性能電線需要増加に対応するのに時間がかかりしばらくは供給が需要に追いつかないものとみられる。これに対しプリズミアンやネクサンスなど世界の海底ケーブル企業も既存の電線工場を海底ケーブルなどの高付加価値電線工場へとリニューアルしている。LS電線もやはり早ければ年内に米国内で海底ケーブル工場用地を確定し着工する。

2024/07/03 09:08
https://japanese.joins.com/JArticle/320641

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