サムスン電子が「ワンストップサービス」を前面に掲げ、韓国ファブレス(半導体設計企業)業界に積極的に求愛した。総合半導体企業としての強みを生かし、人工知能(AI)時代に必要な「オールインワンパッケージ」を提供するという趣旨だ。顧客層を広げ、最近の不振を打開するための戦略とみられる。
サムスン電子は9日、ソウル市江南区(カンナムグ)のコエックスで「サムスン・ファウンドリ・フォーラム」と「サムスン先端ファウンドリ生態系(SAFE)フォーラム」を開いた。先月、米国で「人工知能革命」を主題にファウンドリ・フォーラムを開催したのに続き、韓国国内で後続行事を行ったのだ。この日のフォーラムには、リベリオンズ(Rebellions)やアボブ(ABOV)半導体、テレチップス(Telechips)など、韓国国内のファブレス顧客が主に参加した。
韓国国内でのフォーラムでもサムスン電子は総合半導体企業として「ワンストップサービス」を提供できるという強みを前面に出した。システムとメモリー半導体を全て作るサムスン電子では、人工知能時代にますます複雑になる半導体供給網を単純化し、接近性も高めることができるという趣旨だ。ファブレスの半導体設計の最適化を支援するデザインハウス(DSP)などとの協力も強化することにした。
これは、従来の半導体に関連する経験が多くない企業を狙った戦略と解釈される。最近、NVIDIAとアップルのような最上位ファブレス顧客が全て台湾TSMCに集中し、サムスンファウンドリの先端工程の不振に対応して差別化を図る様子だ。様々な人工知能サービスが登場し、これを具現するための「オールインワンパッケージ」に対する需要が高まる可能性も念頭に置いたと見られる。
サムスン電子ファウンドリー事業部のチェ・シヨン事業部長(社長)はこの日の基調演説で「人工知能製品に及ぼす影響力が増加しただけに、以前より特色ある顧客が増加している」として「設計から製造、システムレベル検証まで全体的な過程を統合的に提供できるサービスが必要だろう」と話した。メモリー商品企画室のチェ・ジャンソク常務と先端パッケージング(AVP)事業チームのチョン・ヒジョン常務もフォーラムに参加し、それぞれの技術開発現況を紹介した。
「ワンストップサービス」の成果としては、韓国国内のデザインハウスと協力して日本のスタートアップから得た受注を提示した。サムスン電子は2019年に設立された日本「プリファード・ネットワークス」の2ナノメートル(nm)基盤人工知能加速器を2.5次元パッケージングを適用し量産することにしたとこの日明らかにした。人工知能加速器は、人工知能の作動に最適化した半導体を称する用語で、NVIDIAが事実上独占している分野だ。サムスン電子は来年、2nm工程の量産に突入する計画だ。
2024/07/09 16:32
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