北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のために米ワシントンを訪問中の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が11日午前(現地時間)、インド太平洋パートナー4カ国(IP4、韓国・日本・オーストラリア・ニュージーランド)首脳会談に出席し、「ウクライナ戦争、北朝鮮の挑発を含む地政学的な挑戦が全方向に増大するこの時期に、NATO、IP4と共に価値を共有する国家間の連帯はいつよりも重要だ」と述べながら朝ロの不法軍事協力に対抗する国際協調を促した。
IP4はこうした尹大統領の要請に共感を表し▼インド太平洋と欧州平和の安定を害する朝ロ間の不法軍事協力を強く非難▼朝ロ間の包括的戦略パートナーシップ条約締結など国連安保理決議違反の軍事・経済協力に対する強い懸念▼朝ロのすべての国連安保理違反行為の即刻中断要求–など4カ国の共同声明を発表した。
IP4はNATOのインド太平洋地域の協力パートナー4カ国(韓国・日本・オーストラリア・ニュージーランド)を表す用語。インド太平洋地域の戦略的重要性などを考慮してNATOは2022年の首脳会議から3年連続でIP4を招待している。IP4首脳はこの日の会議が終了した後、ウクライナのゼレンスキー大統領とウクライナ・IP4首脳会合を開いた。その後、バイデン米大統領およびストルテンベルグNATO事務総長とIP4首脳間の記念撮影も行われた。
また尹大統領はNATO同盟国・パートナー国首脳会議に出席、「普遍的価値を共有するNATOとインド太平洋地域のパートナー間の協力は世界の自由と繁栄のための時代的要求」とし、2025年のNATOウクライナ信託基金(CAPTF)追加寄与額を前年比2倍の2400万ドル(約38億円)に増やすと発表した。CAPTFはウクライナに非殺傷軍需物資を支援するために設置されたNATO信託基金。尹大統領は「エネルギー、保健、教育、インフラをはじめとする複数の分野で、ウクライナの国民が必要とする支援を継続し、これを拡大していく」と強調した。
尹大統領は今回の会議でも朝ロを非難した。尹大統領は「欧州とインド太平洋地域の安保を同時に脅かす朝ロ軍事協力を含め、北の軍事力増強を支援するすべての協力を徹底的に遮断しなければいけない」とし「ロシアと北朝鮮との軍事協力は国連安保理常任理事国のロシアが自ら国連体制の根幹を毀損するものだ」と批判した。韓国とNATOの軍事協力強化および情報共有案も発表された。特に共同の脅威に効果的に対応できるよう、ウクライナで使用される北朝鮮製武器に関する情報交流を活性化することにした。
尹大統領はこの日、NATOのストルテンベルグ事務総長とも会談し、ウクライナ支援案について議論した。前日に日本を含む7カ国の首脳と2国間会談をしたのに続いて、ノルウェーおよび英国との2国間会談も続けた。
尹大統領は訪米最後の日程でNATOパブリックフォーラムインド太平洋セッションに出席し、基調演説を行った。尹大統領はNATO側が招待した学界の専門家および元外交・安保官僚およそ350人の前で「大韓民国は韓米同盟と韓米日協力、そしてNATO加盟国との緊密な連携を通じて、ロシアと北朝鮮の不法な軍事経済協力を無力化し、遮断していく」とし「強圧による現状変更の動きを遮断する唯一の方法は、同盟と友好国が圧倒的な力を持って団結することだ」と強調した。
2024/07/12 09:27
https://japanese.joins.com/JArticle/321053