サムスン電機、米AMDと手を組む…高性能半導体基板供給

投稿者: | 2024年7月23日

サムスン電機がAMDの人工知能(AI)データセンターに高性能半導体基板を供給する。データセンター用高性能基板であるフリップチップボールグリッドアレイ(FCBGA)は基板の中でも高性能・高収益事業だが、これまで日本と台湾の企業が市場を独占していた。サムスン電機が世界的な大型顧客を確保して本格的に市場に参入しこれら企業と競争することになった。

サムスン電機は22日、AMDにハイパースケールデータセンター用FCBGAを供給する契約を結んだと発表した。ハイパースケールデータセンターとは高性能演算のため10万台以上のサーバーを超高速ネットワークで運営するデータセンターのこと。AMDがこの市場を拡張しながらサムスン電機と手を組んだ。

 半導体基板はその上にチップをのせて電気を連結する支え板で、要求される技術力は低い分野だった。しかし半導体をさらに小さくさせる集積化・微細化が限界に至り、基板など半導体を連結・包装するパッケージング技術が次世代半導体の革新分野として注目されている。市場調査機関プリズマークによると、基板市場は年平均7%ずつ成長し、2028年には20兆ウォン規模に達する見通しだ。

FCBGAは多くの微細ワイヤーの代わりに金属球(ソルダーボール)でチップと基板をつなぎ、これまでより多くのチップを連結しても電気信号伝達速度は高める基板だ。PCやゲームコンソールのような完成品と一般サーバーに使われるFCBGAはコロナ禍後に製品交替需要が減りしばらく供給過剰状態だった。しかしデータセンター用FCBGAはPC用より10倍以上のサイズでチップの積層数も3倍以上のため、技術障壁が高い高性能・高付加価値事業だ。

AIデータセンター需要が高まりFCBGAも注目される。AMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)は1-3月期のカンファレンスコールでAMDのデータセンター売り上げが前年同期比80%以上成長し、今年のデータセンター用グラフィック処理装置(GPU)売り上げが予想を上回り40億ドルを超える見通しだと明らかにした。市場調査会社プレシデンスリサーチはFCBGAを含むフリップチップ(FC)技術を適用した基板・組み立てなどパッケージング市場規模が2024年の383億ドルから2033年には680億ドルに達すると見た。

基板の面積を広げてその上にチップの積層数も増やしながらチップの重量により基板が曲がるのを防ぐのはデータセンター用FCBGAが解決しなければならない主要な技術的難題のひとつだ。サムスン電機は「AMDとの協力で先端データセンター用高密度相互連結を具現した基板を開発した。基板が曲がる現象を解決し高い生産歩留まりも確保した」と明らかにした。FCBGA生産ラインにリアルタイムデータ収集とモデリング機能を加え、信号・電力・機械的正確性を高めた。サムスン電機はこれまでFCBGA技術に1兆9000億ウォンを投資した。

データセンター用FCBGAは早くから台湾の半導体メーカーTSMCと技術協力をしてきた日本のイビデンがエヌビディアにGPU用FCBGAを供給して業界1位で、台湾ユニマイクロンと日本の新光電気などが後に続く。

サムスン電機はPCやゲームコンソールのようなセット用FCBGAを生産しており、さらに高い技術力が要求されるデータセンター用FCBGAで事業を高度化してこれら企業と本格的な競争を繰り広げることになった。サムスン電機の3大事業であるMLCC、カメラモジュール、パッケージのうち、パッケージは同社の売り上げの20%前後を占める。

2024/07/23 10:08
https://japanese.joins.com/JArticle/321476

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