北朝鮮が今年に入り10回目となるごみ風船を飛ばした中で、脱北者団体が対北朝鮮に向けて風船を飛ばす場所に北朝鮮が銃撃や砲撃を加える可能性があると韓国国防部の申源湜(シン・ウォンシク)長官が明らかにした。
申長官は24日に報道された読売新聞とのインタビューで、北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長が16日に韓国の民間団体によるビラ散布を非難する談話で対応変化を予告したと言及した。その上で「韓国側のビラ散布を行う風船の撃墜、風船を飛ばす拠点の銃撃や砲撃を行う可能性もあり、関連の動向を注視している」と話した。
韓国側民間団体の対北朝鮮ビラ散布に対する対応として北朝鮮が地雷埋設、無人機を使ったビラ散布、衛星利用測位システム(GPS)の電波妨害、サイバー攻撃などの挑発に出る恐れがあるというのが申長官の予想だ。金与正副部長は16日に朝鮮中央通信を通じて発表した談話で「韓国の人間のくずの幼稚で汚らわしい行為が続く場合、われわれの対応方式の変化が余儀なくされるであろう」と威嚇した。
このように北朝鮮が激しい反応を見せていることと関連し、申長官は、金正恩(キム・ジョンウン)政権にとって北朝鮮より自由で幸せな韓国の実態が宣伝放送を通じて住民の耳に入ることを最も怖れていると話した。
◇「韓国の提案で3カ国協力文書作成」
同紙とのインタビューで申長官は、韓米日3カ国の共同対応がいまほど重要になったことはないと強調した。その上で韓米日が先月27~29日に初めて実施した多領域共同訓練「フリーダムエッジ」と3カ国安保協力の制度化に向けた文書作成は韓国が提案したものだと明らかにした。
彼は「韓米日の安保協力の基準となる文書を作り、不可逆的に、後退できないようにしようとしている」と文書作成の趣旨を説明した上で、安保協力文書はほぼ合意に至り最終調整中だと明らかにした。
3カ国協力の一環として申長官は28日にオースティン米国防長官、木原稔日本防衛相とともに東京の防衛省で開かれる韓米日国防相会議に参加する予定だ。韓国国防部長官が日本の防衛省を訪問するのは2009年の当時の李相熹(イ・サンヒ)長官から15年ぶりだ。3カ国国防相は会議で北朝鮮の核・ミサイル脅威と安保情勢を評価し、対応策を話し合う計画だ。
◇大統領室構内で北朝鮮のごみ風船多数発見
一方、24日にソウルの大統領室庁舎構内で北朝鮮のごみ風船が多数発見され回収したと大統領室が明らかにした。大統領室庁舎構内にごみ風船が落ちたのは今回が初めてだ。
大統領警護処はこの日、「北朝鮮が飛ばした対南ごみ風船に対し合同参謀本部との共助を通じたモニタリングをしていたところ、竜山(ヨンサン)の庁舎一帯に落下したごみを識別した」と明らかにした。続けて「化学兵器対応チームの調査の結果、危険性と汚染性はないことが確認され回収した」と伝えた。
2024/07/24 16:40
https://japanese.joins.com/JArticle/321560