韓国外交部の趙兌烈(チョ・テヨル)長官は27日、日帝強占期の朝鮮人強制労働現場である日本の佐渡金山がユネスコ世界文化遺産に登録されたことと関連し、日本の「真正性ある後続措置」を促した。日本が2015年の軍艦島世界遺産登録当時に全体の歴史を伝えるという約束を守らなかった前例を繰り返してはならないという点を明確にしたものと分析される。
◇「合意で解決しようと粘り強い努力」
趙長官はこの日、ラオスのビエンチャンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議を終えた後に記者らと会い、「日本が約束履行の意志を明確に見せるために、すでに現場に設置した展示物だけでなく、追悼式など関連の後続措置履行でも韓国政府と緊密に疎通し真正性ある姿を見せ続けることを期待する」と話した。
その上で、韓国が佐渡金山の世界遺産登録に同意した背景と関連しては「韓国政府が2015年の教訓に基づいて日本と対決するよりは相互合意による問題解決に向け粘り強く努力した結果」と説明した。2015年の軍艦島登録当時を反面教師として今回は「話よりは行動」、そして「行動の担保」に力を入れたという意味だ。
趙長官はまた「今後韓日間でどのような難しい問題があっても、知恵を集めて問題を解決することによって関係改善の流れを継続できることを望む」と話した。
世界遺産委員会はこの日、インドのニューデリーで開かれた第46回ユネスコ全体会議で佐渡金山の世界遺産登録を決定した。韓国を含んだ委員国21カ国がすべて賛成しコンセンサス(全員合意)を成し遂げた結果だった。日本は「全体の歴史を反映すべき」という韓国の要求を受け、佐渡金山に近い相川郷土博物館に強制労働関連展示物を設置し、毎年追悼式を行うことにした。
この日の登録直後、韓国外交部は「韓国政府は『全体の歴史』を佐渡金山の『現場に』反映するようにという国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告と世界遺産委員会の決定を日本が誠実に履行すること、また、これに向けて先制的措置を取ることを前提に登録決定に同意した」と明らかにした。
◇「辛い歴史反映が目標」
外交部高位当局者もこの日記者らと会い、「無条件で日本が失敗するように登録を反対するのはわれわれの目標ではなかった。過去の影と辛い歴史まで正確に記録され反映されるようにすることが目標だった」と説明した。その上で、「これに伴い、交渉戦力を履行措置確保に投じた。もうひとつの結果を得たもの」と強調した。「今回の佐渡金山合意も結局記録として残り、それが日本を縛っておく効果を持つ」としながらだ。
ただ日本側はこの日、佐渡金山登録当時に2015年の軍艦島登録の際に明らかにした「朝鮮人が『自分の意思に反して(against their will)』動員され、『強制的に労役(forced to work)』した」という言及は特にしなかった。代わりに「世界遺産委員会関連決議及び同決議に関連する自らのコミットメントに留意」するとだけ明らかにした。一部で日本側が2015年と違い今回は強制労働を明確に認めていないのではないかという指摘が出る背景だ。
これと関連し、外交部高位当局者は「繰り返して表現しなかっただけであり(『留意する』という表現に)過去の約束をそのまま継続するという意味が込められているもの。表現をめぐって交渉力を浪費するよりは、それ(強制労働認定)はすでにわれわれが得たもののためもう一度コンファーム(確認)だけすればよいもので、より良い履行措置を得ようとした」と説明した。
同当局者は、日本が2015年の軍艦島に続き今回の佐渡金山に関しても登録当時に約束した後続措置をまともに履行しない場合、「国際社会での評判にひびが入るだろう」と警告することもした。彼は「世の中に無料はない。韓国政府は、佐渡金山は佐渡金山として、近代産業施設遺産(軍艦島など)はそれとして、日本に後続措置履行を促すだろう」と強調した。
2024/07/28 10:25
https://japanese.joins.com/JArticle/321671