独島「紛争地域」論争の韓国の軍精神教育教材、「領土紛争ない」再発刊

投稿者: | 2024年8月1日

独島(トクド、日本名・竹島)を領土紛争地域と描写して激しい批判を受けた後、全量回収された国防部の将兵精神戦力教育基本教材が7カ月間の補完作業を経て再発刊された。

1日、国防部によると、「領土紛争」という表現が含まれた従来の教材の独島関連の部分は今回の修正版で「独島は大韓民国固有の領土であり、領土紛争はありえない」という文章で新たに記述された。

 これに先立ち、5年周期で改訂されて昨年末新たに配布された該当の教材は中国・ロシア・日本など韓半島(朝鮮半島)周辺の国々の対立を扱い、「釣魚島(日本名・尖閣諸島)・千島列島・独島問題など領土紛争も進行中」と書いて批判を受けた。韓国政府はこれまで日本が領有権を不当に主張するたびに「独島は我が国固有の領土であるため、いかなる紛争も存在しない」という立場を維持してきたためだ。

発刊直後に波紋が広がると、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「厳重措置」を指示し、国防部は「緻密ではない部分に対して状況の重大さを認識」したとし、一線部隊に配布された教材を全量回収した。

国防部は3カ月以上の監査を通じて4月、「関連内容に対して執筆過程ですでに問題提起があったが、受容されなかった事実を確認した」と明らかにした。また、発刊当時、担当局長(政策企画官)だった陸軍少将ら2人に対して警告、担当課長だった陸軍大佐ら2人に対して注意処分を下した。正式懲戒を下さなかったことに対して国防部は法令を明白に違反した事実がなく、重大なエラーに故意はなかった点を挙げた。

韓半島(朝鮮半島)の地図に独島を追加表記する作業も今回行われた。国防部関係者は「国土地理情報院が発刊した『大韓民国国家地図集』の表記方式を準用して独島が描かれなかった韓半島地図11カ所に独島を入れた」と説明した。

昨年12月末に発刊された精神戦力教育基本教材に独島のない韓半島地図の様子が掲載された。

日本との関係を扱う部分も補完された。「日本とは信頼回復に基づいて共同の利益と価値に符合する未来協力とパートナー的関係発展を目指している」という従来の文章は「日本とは一部政治指導者の歪曲(わいきょく)された歴史認識と独島に対する不当な領有権主張などに対しては断固かつ厳重に対処する一方、韓日共同の安全保障懸案に対しては韓半島と北東アジアの平和と安定のために未来志向の協力関係発展を目指している」とする文章と差し替えられた。日本の歴史歪曲には断固として対応するものの、多様な分野の協力は強化する点を強調しようとしたとみられる。

また、日本が「軍事的普通国家化を企てている」という部分は外し、「韓米日安全保障協力強化基調を発展させている」という内容が含まれた。

李承晩(イ・スンマン)初代大統領に関しては「鋭い洞察力と政治的決断で共産主義の拡散を防いだ指導者」という従来の表現から「鋭い洞察力」という単語を削除した。まだ論争に決着がついていない歴史的人物の評価で、主観的要素を最小化するという趣旨とみることができる。

従来の教材が扱っていなかった西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)の内容も新たに追加した。修正版はNLLに対して「私たちが必ず守らなければならない海上境界線」としながら「1953年に設定されて以来、大韓民国が実効的に管轄してきた『実効支配の原則』と北朝鮮が1973年まで認定および順守してきた『黙認の原則』により、法的実効性が明白で、我が軍が過去70余年間、血で守ってきた『実質的な海上境界線』」と記述した。

これは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が1月、「不法無法の北方限界線をはじめとするいかなる境界線も許容することはできない」とNLL近隣に対する挑発を暗示したことを念頭に置いて警戒態勢の強化を強調したものとみられる。

北朝鮮が「国歌として金日成(キム・イルソン)称賛の歌を使用している」という内容は外した。「国家」という表現が、ともすると北朝鮮を国として認めているように見なされる可能性もあるためだ。北朝鮮は法的に「反国家団体」に該当する。

「北朝鮮に追従する我々内部の脅威勢力」という表現と「東西古今を問わず平和を乞いたり言葉だけの平和、すなわち偽りの平和に頼る国は歴史から消えた」という記述は今回もそのまま維持された。過去の政府を狙ったものではないかという指摘が出る部分だ。国防部関係者は「基本的に将兵は銃を取って戦わなければならない」とし「軍人のための精神戦力教材は一般の国民が皆知るべき事実を扱う本とは性格が違わざるをえない」と話した。

2024/08/01 15:59
https://japanese.joins.com/JArticle/321906

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)