[社説]佐渡鉱山「外交惨事」、尹大統領は自ら釈明せよ

投稿者: | 2024年8月8日

 日本が朝鮮人労働の「強制性」を認めていないにもかかわらず、政府が佐渡鉱山のユネスコ世界遺産への登録を認めたことについての外交部の説明が、右往左往している。この問題においては交渉の実務を担った外交部よりも、韓米日「三角同盟」のために対日「低姿勢外交」基調を続けてきた大統領室の方により大きな責任がある、との指摘が相次いでいる。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は自ら真相を明らかにし、国民の懸念する自らの「歴史認識」についても誠実に釈明すべきだ。

 7日のハンギョレの報道によると、外交部は前日、共に民主党のイ・ジェジョン議員に提出した答弁書で、佐渡鉱山事態に関して、「協議の過程で『強制』という単語が入った過去の史料および展示文案を日本側に要請したが、最終的に日本は受け入れなかった」と明らかにした。外交部はこれまで、政府は「強制性があらわになる表現を要求してきたし、日本はそれを受け入れた」と述べ、交渉に問題はなかったとの立場を守ってきた。だが今回、韓国が「強制」という用語を明示することを要求し、日本がそれを拒否したにもかかわらず、佐渡鉱山の登録に賛成したという方向へと、説明の「基調」が変わったのだ。韓国が最後まで反対すれば登録されえなかったはずの有利な交渉環境を生かせず、徹底した外交的惨敗を自ら招いたことを遠まわしに白状したかたちだ。

 外交部は、前政権時代は佐渡鉱山の登録そのものに反対し、尹錫悦政権の発足後も、日本の登録の試みに「遺憾を表明」(2023年1月20日)したほか、朝鮮人の強制労働などの「全体の歴史を反映することが何より重要だ」(1月30日)という「原則」を曲げていなかった。6日にイ議員室に送ってきた資料でも、2015年の軍艦島の登録時に日本が受け入れた文案(「本人の意思に反して動員され、苛酷な条件で労役を強制された」)は「韓国が受け入れられる最低限」だとの姿勢で交渉してきたことを強調している。

 だが、結果はこのありさまだ。「歴史の真実」よりも「日本との協力」を重視してきた大統領室の影響力が作用した、ということ以外の理由は考えられない。大統領室の核心当局者は昨年3月、強制動員被害者賠償判決に対する譲歩案である「第三者弁済」を発表した際、日本に「誠意ある呼応」を求めたパク・チン長官の「コップの水発言」に強く反論しており、尹大統領も複数のインタビューでもはや歴史問題には執着しないとの趣旨の発言をおこなってきた。だから、この事態の出発点は尹大統領の歴史認識だ。外交部の背中に隠れることなく、大統領は自ら国民の前で釈明すべきだ。

2024/08/07 18:05
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/50775.html

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)