【時論】避けられない関係の中国、正しく知る人材の育成を=韓国

投稿者: | 2024年8月23日

24日は韓国と中国が修交して32周年となる日だ。韓中が修交したその年、大学別に中文学科が伝統的な人気学科を抜いて語文系列で最も人気になったという話が広まったのを思い出す。韓国の大学入試は国内外の動向にも敏感であり、韓中関係が友好的なら中文学系全般に薫風が吹く。筆者も期待を抱いて1992年に中文学科大学院に進学した記憶が新しい。

修交以降、韓中交流は飛躍的に発展した。1992年に63億ドルだった貿易規模は30年後には3000億ドルを超えた。2003年には中国が米国を抜いて韓国の最大貿易国になった。韓中関係に蜜月が続き、2015年には韓中自由貿易協定(FTA)も締結した。

 貿易で始まった韓中交流と友好関係は社会・文化部門に拡大した。韓国ドラマでは2014年の『星から来たあなた』、2016年の『太陽の末裔』などが中国で韓流ブームを起こした。中国の習近平国家主席が2014年7月に史上初めて北朝鮮より韓国を先に訪問する好意を見せ、これに対し翌年9月には朴槿恵(パク・クネ)大統領が天安門戦勝節閲兵式(軍事パレード)に破格的に出席した。

2013年から16年序盤まで中文学科入学に要求される成績はしばらく人文系で高く推移した。しかし2016年の在韓米軍THAAD(高高度防衛ミサイル)配備をきっかけに韓中関係が急速に冷え込み、中文学科も下降線を描き始めた。北朝鮮の長距離ミサイル脅威に対応するための防御用だが、中国は戦略的脅威と認識した。中国の限韓令のために中国人観光客も急減し、関連産業は大きな打撃を受けた。中国に進出した韓国企業は荷物をまとめて帰国し、生産基地を東南アジアなどに移転した。

過去30年間の韓中関係を振り返ってみると、浮き沈みを繰り返し、愛憎が交差した。薫風が吹いた後、突然冷え込み、また協力を叫ぶという形だ。「すべての歴史は現代史」と説明したイタリアの歴史家ベネデット・クローチェの言葉のように、歴史と地政学をみると、韓中はあらゆることが密接していて、愛憎を抱きながら共に過ごしていかなければならない隣国だ。

最近の中国に行くと、1978年の鄧小平の改革・開放のおかげで経済が飛躍的に発展し、都市ごとに最新デジタルシステムが整っている。科学技術は米国を脅かすほど成長した。しかし中国の変わった地位を客観的に認めるのをためらう雰囲気が中国の外部では相変わらずだ。

こうした認識の内面には長い間の歴史的経験を通じて生じた傷と恐れがあるようだ。過去に中華主義秩序を強調した天下観の影響で、韓半島(朝鮮半島)などは辺境または蛮夷として扱われた。中国の再浮上を象徴する中国の夢を国際社会は脅威とみている。韓国だけでなく米国・日本・オーストラリア・欧州の反応も変わらない。

しかし中国は恐ろしいからといって避けることができる存在ではない。そうであるほど中国をもっとよく知り、変化を予測し、正確に判断できる人材が必要だ。強大国に浮上した中国をありのまま直視し、韓中関係を相互の利益に合う方向に導かなければいけない。

にもかかわらず最近の韓国の大学で、中国関連の学科は統廃合の危機にある。中国関連学科で入学した学生は1年にもならないうちに大多数が経営学など就職に有利な学科を複数専攻にしたり学科を変更したりする。中国専門人材プールを設けても足りない中、中国専門家どころか中国語を駆使して中国の歴史と文化を幅広く理解する中国通はますます減少している。学生のせいにはできないが、こうした現実はあまりにも残念だ。

今年5月に韓中日3カ国首脳会談がソウルで再開された。繰り返し会いながら意思疎通をするべき韓中日が4年半ぶりに対話を再開しただけに歓迎するべきことだ。韓中日首脳会談をきっかけに韓中は外交・安保対話、外交次官戦略対話、多国間会議を契機にした2国間会談も行った。

中国は地理的に近いが、韓国といろいろと異なり、内心を看破するのが容易でない。それで中国の意中を正確に把握できる中国通の人災が求められる。危機であるほど韓中関係を率いる未来の人材を政府が戦略的に養成することを望む。

ソン・ジョンファ/梨花女子大中国文化研究所研究教授

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2024/08/23 15:18
https://japanese.joins.com/JArticle/322834

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