【社説】韓日物品役務相互提供協定めぐり前言撤回した国防部、密室推進は許されない

投稿者: | 2024年8月29日

 キム・ソンホ国防部次官が国会で、韓日両国が必要な時に弾薬・燃料や輸送・医療サービスをやり取りできる「物品役務相互提供協定」(ACSA)を締結する必要があると発言したが、すぐに前言を撤回した。国防部の責任ある当局者が、重要な懸案に対する答弁を数時間で手のひらを返すように変えるのは、極めて異例のことだ。国民の反発が激しい韓日軍事協力を「密室」で推進しようとする小細工ならば、直ちに止めなければならない。

 キム次官は27日午前、国会国防委員会全体会議に出席し、「韓日物品役務相互提供協定を締結することに同意するか」というチョ・グク祖国革新党議員の質問に対し、「現在、韓米日軍事協力と有事の際、対北朝鮮抑止力を確保し、韓国の備える態勢を強化するため、必要な措置事項だと考える」と答弁した。しかし、午後の会議では「政府レベルでは同意せず、検討していない」と述べた。協定に対する賛否は別として、周辺国が非常な関心を傾けるべき懸案について、政府の答弁がこのように右往左往していることに当惑せざるを得ない。その上、現政権の外交・安保の司令塔であるキム・テヒョ国家安保室第1次長は2010〜2011年韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を密室で推進し、大きな物議をかもしたことがある人物だ。政府の説明をそのまま受け入れるのが難しい理由だ。

 韓日物品役務相互提供協定の締結は、朝中の脅威に対抗するという名目で軍事協力を粘り強く要求してきた日本が宿願としてきた事業だ。2013年12月改正防衛計画大綱には韓日軍事情報包括保護協定(2016年締結)とともに同協定の締結を具体的な「目標」と明示したほどだ。日本は現在、米国やオーストラリアを含む7カ国とこの協定を結んでいる。日本が直ちに韓国に協定の締結を要求してきたとしても、不思議ではない状況だ。

 韓米日は昨年8月のキャンプ・デービッド首脳会談以降、事実上三角軍事同盟へと変貌を遂げている。6月末には中国を狙った定例合同訓練の「フリーダムエッジ」を初めて実施し、1カ月後には「安全保障協力枠組み覚書」にも署名した。韓日両国の軍事協力でも色々な「根本的変化」が進められているように見えるが、その内容が国民に伝えられたことはほとんどない。政府は昨年以降、韓日、韓米日軍事協力において何が変化したのかを国民に詳細に説明しなければならない。

2024/08/28 19:10
https://japan.hani.co.kr/arti/opinion/50970.html

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