岸田首相、6~7日訪韓…「第3国紛争時の避難協力覚書を推進」

投稿者: | 2024年9月4日

6~7日の岸田文雄首相の訪韓を前に、日本政府が韓国からの訪日客を対象に韓国の空港で入国審査を事前に行う「プレクリアランス(事前入国審査)」制度を来年導入する案を検討中だと、共同通信が韓日外交筋の話として3日、報じた。

この制度が導入されれば、日本政府は自国の入国審査官を韓国空港に派遣し、日本入国書類と指紋・顔写真で入国審査を行い、日本到着後は簡単な手続きだけで入国できるようになる。日本から出発して訪韓する旅行客に対しても、韓国の審査官が日本の空港で事前入国審査を行う案が検討されている。

 共同通信は「日本上陸後の審査時間を大幅な短縮が見込まれ、観光客やビジネスマンの人的交流を促したい考え」とし「来年の日韓国交正常化60周年に向けた友好政策の一つに位置付ける」と伝えた。

また、日本経済新聞の報道によると、韓国と日本政府は紛争発生など第3国の有事に備え、現地の自国民の退避を巡る相互協力に合意した覚書を締結する。韓日はチャーター機と車両の相互利用を含む退避協力を強化し、自国民の安全を守る体制を構築する方針だ。このため、平時から両国の領事当局間の協力を含め、政府間の情報共有を推進する。

日本が自国民の退避協力に関する覚書を外国と結ぶのは韓国が初めて。日経新聞は、今回の覚書締結は協力を明文化し、永続的な協力の枠組みとして機能させる狙いがあると伝えた。

両国が第3国紛争の際に自国民退避を巡り協力した実績はすでに数回ある。昨年4月、軍閥間の武力衝突事態が起こったアフリカのスーダンに居住していた数人の日本人が、韓国政府などが用意したバスで韓国人と一緒に退避した。同年10月、ハマスのイスラエル奇襲攻撃の際は、韓国の軍輸送機が韓国の同胞163人の退避の際に日本人45人も韓国まで移送した。日本政府も、見返りとして同月、自衛隊の輸送機がイスラエルから日本に自国民を退避させる時、韓国人33人を乗せた。

共同通信と日経新聞は、岸田首相が訪韓し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と首脳会談を行う際、事前入国審査制度の導入と第3国の有事の際の両国協力体制について話し合う予定だと伝えた。大統領室関係者は「韓日首脳会談で二国間関係、地域および国際舞台での両国間協力増進案について議論する計画」とし「詳細な議題は外交ルートを通じて調整中」とした。

当初、日本外務省は日帰り訪韓を計画したが、岸田首相が「1泊して尹大統領と積もる話をしたい」という意志を示し、日程を延ばすことになったと両国の事情に通じた消息筋が伝えた。自民党総裁選挙に出馬しないため今月末に首相職を退く岸田首相は、周囲に自身の在任中の業績として韓日関係の正常化を挙げているという。外交関係者は、岸田首相が辞任しても政治的影響力は続くものと見ている。

韓日首脳会談は今年7月に米ワシントンで開かれたNATO(北大西洋条約機構)首脳会議を機に開かれた二国間会談以来、2カ月ぶりに行われる。

2024/09/04 07:40
https://japanese.joins.com/JArticle/323254

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